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2019年9月3日

【主張】事業承継支援 後継者の“お試し雇用”も一案だ

後継者不在の中小企業の経営者が第三者に事業を譲る事業承継を、より一層支援していきたい。

 経済産業省は2020年度予算の概算要求に、事業を譲り受ける意欲のある人があらかじめ入社して、一定期間働くトライアル雇用を支援する新たな制度を盛り込んだ。雇用期間中の人件費の一部を国などが負担するものだ。

 中小企業の経営者は、事業内容だけでなく、これまで築き上げてきた企業風土も含めて引き継がれることを望むため、親族から後継者を探すケースが多い。

 また事業承継に向けた交渉の中で、自社の帳簿など重要な情報を親族以外の第三者に示すことにためらいを感じる経営者もいるという。

 こうした理由から事業承継が思うように進まないのであれば、実効性のある手だてを急ぐ必要がある。その意味から、経産省のトライアル雇用は注目に値しよう。

 言うまでもなく事業承継支援は、日本経済にとって喫緊の課題である。国の試算では、中小企業の経営者のうち、約245万人が25年までに70歳を迎え、そのうち127万人は後継者が決まっていない。廃業が増えれば、25年までに約650万人の雇用と約22兆円の国内総生産(GDP)が失われる恐れがあるという。

 こうした中、公明党の強い訴えにより、事業承継を支援する取り組みは着実に前進している。

 例えば、18年度税制改正で事業承継税制が抜本的に拡充され、18年4月から10年間の特例措置として、事業承継を行う際の贈与税・相続税の納税を猶予する仕組みが始まった。これにより、年間400件程度だった事業承継税制の申請件数は10倍以上増え、年間4000件を超える勢いだ。トライアル雇用がこうした流れを加速させることを期待したい。

 ただ課題はある。トライアル雇用で働く人が支援対象としてふさわしいかどうか明確に判断する基準が必要だ。また、経営者が第三者の後継者を見つけても、事業に精通させ、取引先から信用を得るのは容易ではない。中長期的な視点に立った制度設計が求められよう。こうした点への目配りも忘れてはならない。

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