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2025年2月16日

凶悪強盗から住民を守る

広がる防犯まちづくり 
国・都、カメラ増設や青パト整備 
刑法犯、3年連続増 

闇バイトに端を発した凶悪な強盗事件などが相次ぎ、住民生活を守る防犯対策に関心が高まっています。国や東京都、各地の取り組みを紹介するとともに、防犯まちづくりのあり方について樋野公宏・東京大学大学院准教授に聞きました。

警察庁の犯罪情勢統計によると、昨年1年間の刑法犯認知件数は73万7679件で、3年連続の増加となりました。

総数に占める割合が大きい窃盗犯は50万1507件。社会問題化している銅線ケーブル窃盗などの金属盗は2万701件で、統計を取り始めた2020年の4倍近くに上っています。殺人や強盗、不同意性交といった重要犯罪は前年比18.1%増の1万4614件でした。

匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)が関与するSNSを通じた投資詐欺やロマンス詐欺も急増。窃盗などを含む財産犯の被害額は、同59.6%増の4021億円で、1989年以降で最も高かった2002年を上回るなど犯罪の悪質化に懸念が高まっています。

政府や東京都の来年度予算案には、公明党の推進で防犯対策に関する予算が計上されています。

政府は増加する闇バイトへの対策を強化するため、警察官の装備品や捜査の分析に必要な端末の整備を推進。地域の防犯力強化へ地方創生の交付金を活用し、防犯カメラの設置や青色防犯パトロールの整備も進めます。

一方、都では防犯機器の導入支援として、個人住宅の防犯カメラやカメラ付きインターホン、窓ガラス用防犯フィルムなどを購入した場合、1世帯当たり2万円を上限に費用の半額を補助します。導入を支援している都道府県は数少なく、特に「個人住宅向けに防犯カメラの設置を支援するのは全国的にも珍しい」(都担当者)と言います。

このほか、警視庁はスマートフォン用防犯アプリ「デジポリス」を16年から配信。都内の犯罪発生情報を地図上で確認できるほか、防犯ブザーの機能なども備え、好評を博しています。

■各地の取り組み

■“見守る目”デジタル活用/兵庫・加古川市

高齢化などを背景に、防犯活動の担い手不足が喫緊の問題です。そうした課題を解消しようと兵庫県加古川市は、デジタル技術を活用した官民協働の見守りサービスを展開しています。

国の補助を受け、17年から市内全域の電柱などに「見守りカメラ」計1571台を設置。“地域の目”として見守る体制を整えました。カメラにはビーコン(電波受信器)の検知器が内蔵されており、ビーコンを持った子どもや高齢者がそばを通ると保護者のスマートフォンに位置情報が通知される仕組みです。

カメラ設置により市内の刑法犯認知件数は、設置前の17年と比べて23年は4割減少。見守りサービスの利用を希望する新小学1年生には、初期費用と1年間の月額利用料を市と企業が支援するなど普及が進んでいます。

■公園改修し見通し良く/福岡市

地域の防犯性を高めるため、インフラの再整備に取り組む自治体も増えています。福岡市は12年、中央区天神の「警固公園」を防犯機能を高めるためリニューアル。治安改善や街のにぎわい創出につなげています。

同公園はかつて、園内の死角が多く、女性を狙った性犯罪や夜間の騒音被害などが相次いでいました。そこで、市や警察、住民、大学などの関係者が公園の再整備に向け協議し、見通しを良くする防犯対策や周囲の景観を考慮したデザインを提案。その結果、公園内の人通りが増えて「監視性」が確保されるなど効果を挙げています。

さらなる防犯効果の向上をめざし、翌年には「安全安心センター」が園内に開所。防犯ボランティアの待機場所などにも利用され、防犯活動の拠点になっています。

■孤立防ぐ地域の形成が重要/東京大学大学院 樋野公宏准教授

犯罪は社会の変化を如実に反映し、そこで生まれる隙につけ込む特徴があります。

少子高齢化が進む日本では、地域で孤立しやすい一人暮らしの高齢者が狙われやすく、匿名性の高いSNSの技術も合わさって、強盗など悪質な侵入犯罪が発生していると考えられます。

今後、防犯対策を強化していく上で重要なのは、こうした孤立しやすい人たちを包摂していくコミュニティーの形成です。参考になるのは、ウオーキングや花の水やりなどをしながら、地域住民を見守る「ながら見守り」のような例です。住民自身の活動から新たな横のつながりが生まれ、見守りの担い手の裾野を広げています。

一方、街の見通しや夜間照明の確保など犯罪が起きにくい、まちづくりの観点も不可欠です。行政がハードとソフトの両面で地域の活動を支えてほしい。

“地域の目”が少なくなる中、犯罪の抑止力につながる防犯カメラは効果的です。今後は侵入リスクの高い賃貸住宅への設置も支援すべきです。

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