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【主張】防災の日 根付かせたい自助・共助の文化
今週、九州北部が記録的な大雨に見舞われ、犠牲者も出た。つい2週間前、西日本一帯が超大型の台風10号に襲われたばかりというのにである。
そんな中で迎える、あす9月1日の「防災の日」。いやが上にも実感させられる「災害列島・日本」の現実を直視し、防災・減災意識を高める一日としなければならない。
そのためにも、わが町わが地域で実施される防災訓練にこぞって参加し、そこで得た経験や知識を家族や地域で共有することが大切だ。「一日限りのイベント」に終わらせず、「あすからの平時の備え」の充実強化につなげたい。
頻発する大規模災害に、国の防災・減災の方針は大きく転換しつつある。
中央防災会議の作業部会が昨年末、「行政が一人一人を助けることはできない」として行政の力の限界を明確にし、国民に「自らの命は自らが守るという意識を」と呼び掛けたこともその一つだ。
先月末に決定した「防災の日」などに関する実施要項でも、同会議は、「自助」「共助」の取り組みを「公助」が支援するところに「防災意識社会」が構築されると力説し、防災・減災の主体は住民であることを強調している。
“お上頼り”“人任せ”の災害対応の時代は終わったことを自覚したい。
実際、220人余が犠牲となった昨年の西日本豪雨では、愛媛県大洲市の三善地区のように、住民が自らの判断で早期に自主避難し、全員が助かった地域があった。
東日本大震災でも、過去の津波被害の教訓に基づき、子どもたちが地域のお年寄りたちの手を取って高台に率先避難した岩手県釜石市の小中学生の姿が話題となった。
こうした事例に共通するのは、日頃から地域社会のコミュニケーションが活発で、住民同士の信頼関係が構築されている点である。災害対応の問題に即して言い換えるなら、「自助」「共助」の精神が地域に文化として根付き、息づいているということだ。
大災害の時代を生き抜く鍵は、恐らくはこの辺りにあるのだろう。言うならば、防災・減災を社会の主流に押し上げ、ついには文化にまで高めるという視点である。









