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こどもホスピス、全国に
小児がんや難病の子らが安心して過ごせる居場所
国がモデル事業、補正に計上
命に関わる重い病気の子どもらを支える「こどもホスピス」への支援が動き始めた。終末期の緩和ケアが中心の大人のホスピスとは違い、こどもホスピスは、成長に応じた遊びや学びなども提供する施設・取り組みを指す。1980年代に英国で生まれ、欧米で発達しているが、日本では数が少ない。公明党の訴えで、国は2024年度補正予算で支援のモデル事業を創設し、全国普及をめざしていく。
小児がんや難病など生命を脅かす病気を患う子どもたちは、余命の長さを問わず、闘病中も心身は成長し続けている。長期の入院・通院で生活が制限され、「友達と遊びたい」「もっと勉強したい」などの希望をかなえられない子は多い。短い生涯の大半を病院のベッドで終える子もいる。
そうした子どもらに、こどもホスピスは、病院・自宅以外の安心できる居場所を提供し、遊びや学びを通して“生きる”ことを全うできるようサポートする。国内では法的な位置付けがないが、近年、NPOなどが各地で立ち上げ始めた。
形態は多様だ。宿泊可能な施設で家族と一緒の大事な時間を過ごしたり、家庭や病院へ訪問支援する場合もある。家族の悲しみを癒やすグリーフケアを担うこともある。
また、こども家庭庁が23年度に行ったこどもホスピスの実態調査によれば、運営の主な財源を診療報酬などで賄う「医療型」や、障害福祉サービスの報酬を充てる「福祉型」、寄付・助成金で工面する「地域型」がある。特に地域型は収入が不安定で、公的支援を求める声が患者・家族から強い。
自治体が支援検討へ関係者の協議会開催
地域型のこどもホスピスの支援へ、同庁は昨年末に成立した24年度補正予算で初めてモデル事業(3億円)を実施する。都道府県などの自治体が、NPOや医療機関の関係者らによる協議会を開催し、同ホスピスの支援や連携を検討する費用を全額国費で財政支援する。事業では、支援が必要な子どもの数を含む実態把握調査に加え、同ホスピスの取り組みに対して補助も行う。
同庁の内川麻実子・こどもホスピス専門官は「地域の課題を関係者で共有し検討する場を定期的に設け、実態把握を進めながら、全国普及への道筋を整えたい」と説明する。
関係者の期待も大きい。命に関わる病気の子どもたちや家族が笑顔で過ごせる居場所として「うみとそらのおうち」(横浜市)を運営するNPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトの田川尚登代表理事は「これまで国の支援が非常に限られていた中で、今回のモデル事業は、自治体も参加しやすく、大きな一歩だ」と評価する。
東京のNPO
遊び、学ぶ〝夢〟かなえる
参加した子「諦めないで良かった」
こどもホスピスの活動は東京都でも広がる。19歳の長男を骨肉腫で亡くした佐藤良絵代表理事が20年に設立したNPO法人「東京こどもホスピスプロジェクト」(昭島市)だ。都議会公明党も議会質問などで後押しする。
同プロジェクトは、病気の子ども・家族からの相談対応や、都の委託事業として長期入院で学びが遅れた小児慢性特定疾病の児童らへの学習支援を実施。
さらに、西多摩地域の医療機関や保育所などで、遊びや学びといった子どもの“夢”をかなえる居場所の「ドリームルーム」を定期開催する。同ルームはこれまで延べ400人ほどが利用し、ファッションショーやクリスマス会などのイベント開催に加え、スタジアムでのサッカー観戦を実現したことも。参加した子どもは「諦めかけていたことができ、良かった」と笑顔になったという。
佐藤代表理事は「子どもたちが人生の最後まで明るく笑顔で過ごすために、こどもホスピスは必要。活動をさらに広げたい」と抱負を語る。
公明、〝所管不在〟を打破
政府内に「専門官」配置
公明党は女性委員会が20年10月に政府への提言で、こどもホスピスの全国設置を掲げるなど一貫して推進してきた。だが当初は医療、福祉、教育など多分野にまたがることから、政府に所管省庁がない状態だった。
そこで公明党が強く訴え、21年12月に閣議決定された、こども家庭庁の創設に関する基本方針に「小児がん患者等が家族や友人等と安心して過ごすことができる環境の整備について検討を進める」との文言が反映された。これを足掛かりに、政府へ働き掛け続け、22年6月に関係省庁連絡会議が発足。23年4月に発足した同庁に「こどもホスピス専門官」が配置され、担当部署が明確に。その後の実態調査や24年度補正予算のモデル事業へとつながった。
推進してきた竹谷とし子党代表代行は「党のネットワークの力を生かし、全国普及を応援したい」と語る。










