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2025年2月4日

【主張】子どもの自殺防止 リスクの早期把握と対策強化を

自ら命を絶たざるを得なかった子どもたちの心痛は察するに余りある。生きづらさを感じる子どもを孤立させない社会を断じて築かなければならない。

厚生労働者は先週、警察庁の統計を基にした2024年の自殺者数の暫定値を発表した。全体では2万268人と過去2番目に少なかった一方、小中高生は527人で統計のある1980年以降で最多となった。

小中高生の自殺者はコロナ禍が始まった2020年に急増して以降、500人前後で高止まりしており、憂慮すべき状況にある。男女別では近年、男子で減少傾向がみられるが、女子中高生の増加が著しい。要因の分析を急ぎ、対策を強めていく必要がある。

昨年10月に厚労省が公表した自殺対策白書によれば、警察の捜査で知り得た小中高生の自殺の原因・動機として、学業不振やいじめなどの学校問題、親子関係の不和といった家庭問題、うつ病などの健康問題が目立った。

同時に留意すべきは、原因が特定できない「不明」が3~4割を占めていることだ。子どもの自殺行動は衝動性が高いとされ、自殺を考えている場合には、それほど時間がたたないうちに行動に移す傾向が大人よりも顕著だという。

子どもたちの自殺リスクを早期に把握し、必要に応じて適切な支援につなぐ体制の強化が不可欠だ。

国は23年に対策の緊急強化プランをまとめ、児童生徒に1人1台配布している学習用端末を活用した心身の異変の察知や、多職種の専門家で構成される危機対応チームの都道府県への設置などを進めている。対策の効果の検証にも力を入れ、実効性を高めてほしい。

自殺予防に向けた厚労省の特設サイトでは「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)、「こどもの人権110番」(0120-007-110)などの電話窓口やSNSなどで対応する相談先を紹介している。

利用につながるよう工夫を重ね、子どもたちの大切な命を守りたい。

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