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コラム「北斗七星」
作家の吉川英治は若かりし頃、「吉川雉子郎」と号して俳句や川柳を詠んでいた。その名は、巣がある野原を焼かれても自らを顧みず、火中の子を助けるキジの姿から、親の愛情の深さを例えた「焼け野の雉子、夜の鶴」のことわざに、由来するという◆わが国の国鳥とされ、旧1万円札のデザインや童話『桃太郎』など、古くから多くの人に親しまれてきたキジ。中でも、白いキジは吉兆とされ、日本で最初に使われた元号「大化」の次には「白雉」が用いられた◆日本の100名城に数えられ「白雉城」の異名を持つのが、大分市にある府内城だ。かつては海辺に面し、白土の塀と水面に映る姿が美しいことから、その名で呼ばれてきた◆この「白雉」を抱く大分市では現在、“県都決戦”となる市議選(9日告示、16日投票)が目前に迫っている。公明党からは現職4人と新人2人の計6人が挑み、現有6議席の死守に向け、懸命の支持拡大が続く◆吉川英治は対談の中で「大衆は実に大智識と思うしかありません」と語った。生活現場の声を聴き、その中から課題解決や政策実現に取り組むことが政治には求められている。だからこそ「大衆とともに」を掲げる公明党が勝ち抜くしかない。(先)