ニュース
コラム「北斗七星」
生物の基本単位、細胞の設計図であるDNA(遺伝子の本体)。そこに、「キズ(突然変異)が積み重なって」(中川恵一著『最新版がんのひみつ』、朝日出版社)できるのが、がんという◆毎年、約37万人が亡くなり、死亡原因の内訳でも、がんは1位(「人口動態統計」、2017年)。一般に歳を重ねるごと増える“突然変異”。長寿社会を迎え、がん医療や現代人にとって乗り越えねばならない壁といえよう◆がん対策基本法が施行されて12年余。公明党などが主導した同法では全国どこでも安心して高度な医療を受けられる体制が整った。今後、がん登録推進法に明記された予防の推進とともに、「早期発見」が、より重要に。ただ、わが国の検診受診率は40%程度。欧米先進国に見劣りするのが現状だ◆これまでの研究によって胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がんの5つは、早期に検診を受け治療を行うことで死亡率低下が明らかに。例えば、胃がん早期(ステージⅠ)の場合、5年生存率が95%だが、末期(ステージⅣ)なら同9.0%(がん研究振興財団「がんの統計」’16)◆9月は、日本対がん協会が推進する「がん征圧月間」(今年度のスローガンは「がん検診 あなたを守る 新習慣」)である。検診と併せて、がんを正しく知る好機としたい。(照)