ニュース
賃上げ波及へ機運醸成
地方版政労使会議
東京で鰐淵副大臣が出席
全国で開催、価格転嫁の意義共有
東京都の地方版政労使会議であいさつする鰐淵厚労副大臣=29日 都内
今年の春闘を前に、自治体や労働者、経営者らが集まって協議する「地方版政労使会議」が各地で活発に開かれている。賃上げに向けた取り組みをテーマに、厚生労働省は全都道府県での開催を進める。物価高が長引く中、賃上げの流れを中小企業や地方に波及させられるかが「成長型経済」実現への鍵を握る。
地方版政労使会議は、地域に応じた課題を協議する場で、公明党の推進により2015年度から始まった。23年度からは「賃上げ」を主要議題に設定し、全都道府県で開催。政労使で価格転嫁の必要性を共有するなど、賃上げの機運醸成を図ってきた。
29日に開かれた東京都の地方版政労使会議には、政府を代表して鰐淵洋子厚労副大臣(公明党)が出席し、賃金が物価上昇を安定的に上回るよう「東京から賃上げの流れを着実に広げていただきたい」と呼び掛けた。
小池百合子知事は「政労使が力を合わせて進めることが何よりも肝要だ」との認識を示した。
会議では、賃上げの重要性に関して認識を共有した一方、労務費のさらなる価格転嫁の推進などを求める声が上がった。