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2019年8月25日

地域で災害に備える!

各地の先進事例を訪ねて

相次ぐ自然災害から身を守るため、住民一人一人が「わが事」と捉え、地域で備えることが重要です。公明党は「防災・減災・復興を政治や社会の主流に」と訴え、地域の防災力向上に取り組んでいます。「防災の日」の9月1日を前に各地の先進事例を訪ねました。

共助による防災力向上へ
地区計画 策定率100%
茨城・水戸市

吉田地区独自に作成した防災マップで危険箇所を確認する(右から)加瀬さん、栗田さん=20日 茨城・水戸市

茨城県水戸市は、地域住民による自主防災組織を市内全34地区で設置し、その全地区が「地区防災計画」を策定しています。

「自分たちの地域は自分たちで守る!」。水戸市南部に位置する吉田地区(6300世帯1万3000人)は2015年11月、地区防災計画をいち早く策定しました。中心者の一人、加瀬孝雄さんは、「地域の実態を反映した計画作りに市職員と二人三脚で取り組んだ」と振り返ります。

計画に基づき、独自に作成した防災マップには、住宅密集地域に欠かせない防火水槽や消火栓、民間の井戸の場所が一目で分かるようになっています。特に、井戸については東日本大震災の際、水の確保に苦労した経験から、市の協力を得て場所を特定し、災害時には皆で利用できるようにしています。

マップを前に、加瀬さんと共に自主防災組織を支える栗田稔さんは、「地区のあらゆるリスクに備える。それが共助の要となる」と力を込めました。

15年度中には、吉田地区に続き、全ての地区が地区防災計画を策定。市が計画のひな形を提供したり、地区代表者への説明会を開いたりして、全面的にサポートしました。

また、地区防災計画が“絵に描いた餅”で終わらないよう、各地区で計画の更新が随時行われているのも特徴です。例えば、16年4月の熊本地震の折は、避難生活や車中泊によるエコノミークラス症候群の発症が問題視されたことから、その予防体操法を計画に新たに盛り込みました。

訓練参加者数 「3.11」後、3倍超に

各種訓練にも力を入れています。具体的には、(1)避難所開設訓練(2)簡易トイレ組み立て訓練(3)炊き出し訓練――などで、全ての訓練に、企画や準備の段階から市職員が携わっています。

こうした取り組みの結果、18年度の訓練参加者は1万4000人を超え、東日本大震災発生後の11年度と比べ、3倍以上に増えています。

市防災・危機管理課の小林良導課長は「共に備え、共に支え合う地域をつくっていきたい」と語っていました。

各家庭の備蓄品を倉庫保管。体一つで避難可能
大分・佐伯市の狩生地区

高台の備蓄倉庫に保管した防災グッズを確認する狩生地区の住民=20日 大分・佐伯市

リアス式海岸が特徴の大分県佐伯市は、南海トラフ地震で津波が想定される地域です。沿岸部の狩生地区で独自の防災活動を展開する狩生自主防災会を訪ねました。

案内されたのは、海抜約20メートルの高台にある備蓄倉庫。扉を開くと、水のポリタンクなどの備蓄品以外に、名前が書かれた段ボール箱が整然と並んでいました。箱の中身はそれぞれ違うそうです。

狩生自主防災会の特徴は、防災袋を各家庭に置かず、倉庫にまとめて保管すること。同会会長の近藤洋三さんらは「いざというときは体一つで逃げればいい」と言います。

同会が本格的に活動を始めたのは15年ほど前。阪神・淡路大震災の映像を皆で見るなどして、防災活動の機運を高めてきました。5年前に各家庭の備蓄品を保管する取り組みを開始。今後は、同会として防寒用品や食料の備蓄にも力を入れようと計画しています。

佐伯市では自主防災組織の結成率が90%を超えていますが、日常活動を活発に行う地域はまだ多くありません。市防災危機管理課は「狩生地区のような取り組みが他地域にも広がってほしい」と期待を寄せています。

外国人が「情報弱者」にならない勉強会を継続
愛知・西尾市の県営緑町住宅

県営緑町住宅で開かれた外国人居住者向け勉強会=18日 愛知・西尾市

18日午前、愛知県西尾市にある県営緑町住宅の集会室。そこには外国人居住者が自動体外式除細動器(AED)の使い方を学ぶ姿がありました。

緑町住宅では、ブラジル人、ペルー人らでつくる「外国人防災ボランティアグループ」が2カ月に1回、防災に関する勉強会を開いています。

同住宅の住民約6割が外国人。災害時、日本語が十分に理解できないことから「情報弱者」に陥りがちに。そこで「自分たちが逃げ遅れたり、周りに迷惑を掛けたりしてはいけない」との思いから2014年に立ち上げました。

勉強会では、地域の住民有志でつくるボランティア団体(赤十字奉仕団)のメンバーを講師に、地震発生時の避難、避難所での生活、傷の手当てなどを学び、好評を博しています。

パラグアイ出身の30代女性は、「紙芝居で教えてくれるので、よく分かる。いざというときにできることを少しでも増やしたい」と話します。

同住宅自治会長の青木忠雄さんは「勉強会は住民同士が親交を深める場にもなっている。言葉や文化の壁を越えて助け合える関係が築けるよう、これからも続けてほしい」と語っていました。

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