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2025年1月29日

コラム「北斗七星」

「20年後に失望するのは、やったことよりもやらなかったことだ」とは、米国の作家マーク・トウェインの言葉である◆30年近く前に、沖縄県糸満市にある「ひめゆり平和祈念資料館」を初めて訪れた。館内では、元ひめゆり学徒隊の女性が、親友を目の前で失った悲惨な体験を語ってくれた◆負傷兵が収容されていた壕の入り口付近でヘアピンを落とし、拾おうとしゃがんだ瞬間に爆風で壕の奥まで飛ばされたという。しゃがんでいなければ、命はなかった。自分の代わりに用事を引き受けて外へ出た親友は爆撃で亡くなった。心に染みこむ体験談にお礼を言ったことを覚えている◆今年1月に再び同館を訪れた。昔に比べて照明が明るくなり、展示方法もリニューアルされ、見て分かりやすくなったと感じた。語り部の姿はなかったが、証言映像の中で、ヘアピンの話を語る女性が登場し、記憶がよみがえった◆月刊「公明」2月号で同資料館の普天間朝佳館長が「戦後80年の今こそ戦争の記憶の学び直しを」と題する文章を寄せ、「沖縄戦の教訓は、戦争で一番犠牲になるのは一般市民であり、何より女性や子どもたちであるということ」と述べている。体験を学び直し次代に伝えねばならない。(鷲)

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