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観光、農業の再生へ
現地リポート 熊本地震 被災地「4度目の夏」
訪日客を拡大、再び活気
3年ぶり 全ての農地で営農が再開
熊本・阿蘇市
震度7を2回観測した熊本地震から、被災地は4度目の夏を迎えている。主要産業の観光や農業に大打撃を受けた熊本県阿蘇市。インバウンド(訪日客)の取り込みに活路を見いだす観光や、被害が集中した農業の今を追った。=熊本地震取材班
阿蘇山上ビジターセンターを視察する城下県代表(右から3人目)と(右から)森元秀一・阿蘇市議、前田憲秀、本田雄三の両県議
「少しずつ、観光客が戻ってきた」。阿蘇火山博物館の池辺伸一郎館長は、こう実感を語る。
全国有数の観光地・阿蘇は、2016年の熊本地震で震度7を観測。阿蘇市によると、地震前は年間約500万人の観光客が訪れたが、16年は約320万人に落ち込んだ。
国は今年3月、民間施設の同博物館内に多言語で阿蘇地域の情報を発信する「阿蘇山上ビジターセンター」を設置した。ビジターセンターを民間施設に置くのは全国初で、今年7月には累計15万人の来場を達成した。このほか、阿蘇市商工会はキャッシュレス決済の導入にも着手。訪日客のさらなる拡大に力を注ぐ。
熊本地震から3年。阿蘇市観光課は、昨年の観光客が約474万人と地震前年の15年並みまで回復したと説明する。訪日客も、約20万人と地震前を上回ったという。
しかし、観光客全体に占める市内宿泊客が伸び悩む。昨年は約63万人で地震前の8割程度。そのうち2割は復旧工事の関係者と見られ、宿泊関係者らは「実質は6割程度しか回復していない」と頭を抱えている。
20年度には、架け替え工事が進む阿蘇大橋(国道325号)や国道57号北側復旧ルート、JR豊肥線が相次いで開通する。市観光課の秦美保子課長は「熊本と阿蘇を結ぶ大動脈が復旧すれば、団体客の回復も見込める」と期待を寄せる。
阿蘇市は、ブランド米「森のくまさん」やWCS(稲を発酵させた粗飼料)の生産が盛んな県内有数の農業地帯。それだけに、熊本地震で県が受けた水田被害の約3割(343ヘクタール)が同市に集中した。16、17年は、大半の農家が営農できなかった。
農地を視察し、中川さん(中)らと意見を交わす森元市議(左隣)
阿蘇市狩尾地区に住む中川須雄さん(73)は、「どうしたら良いのかと途方に暮れていたが、生活のため、再建しなければと一心不乱だった」と振り返る。17年2月、市の補助を活用し、被害を受けた水田約1.5ヘクタールを復旧させた中川さんは「復旧まで苦労したが、収穫できた喜びはひとしお」と語る。
一方、陥没など被害が大きい地域では、スムーズに再開できない農家も多かった。市は昨年、農地を借り上げて復旧させる独自の制度を導入。市内の被災農地約50ヘクタールを再建させた。また、被災規模が特に大きかった阿蘇谷、狩尾両地区では、県が直轄で工事を実施した。その結果、阿蘇市は3年ぶりに市内全域で営農を再開することができた。
公明党熊本県本部(代表=城下広作県議)は被災住民の声に耳を傾け、暮らしの向上に向けて、被災地を奔走してきた。
「被災地にはいまだ課題は山積している。一つ一つ、丁寧に解決していきたい」と城下県代表は語り、被災地の復興が実現するその日まで、公明党が被災住民に寄り添い続けていく決意だ。









