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2025年1月14日

【主張】犯罪被害者支援 弁護士が寄り添う制度を早く

犯罪被害者やその家族への支援を「配慮」のレベルから「権利保障」へと強化した犯罪被害者等基本法の施行から今年で20年――その権利をさらに強化するための「犯罪被害者等支援弁護士制度」の早期開始が待たれている。

昨年末、鈴木馨祐法相は「可能な限り早期に運用を開始するため必要な体制を整備する」と述べ、準備に必要な予算措置を来年度予算案で講じた。万全の準備で臨んでほしい。

「犯罪被害者等支援弁護士制度」の目的は、事件直後の段階から弁護士が犯罪被害者に寄り添って、継続的・包括的な支援を提供することだ。昨年成立した改正総合法律支援法で創設され、2026年までの運用開始が決まっている。

法律問題に対する援助は、現在でも法テラス(日本司法支援センター)が実施しているが、家庭内暴力やストーカー被害防止のための法律相談、刑事裁判の被害者参加制度に関する支援など限定的だ。

しかし、殺人や傷害、性犯罪などの被害者・遺族は精神的・肉体的ダメージを受け、日常生活も続けられない状態に陥ってしまう。

その中で、捜査への協力や、刑事裁判での証人としての役割、さらに、加害者側との示談交渉や損害賠償訴訟の提起、また、国の犯罪被害者給付金の申請などの煩わしい問題に直面する。どれも法律や紛争処理の専門的知識が不可欠で、法律専門家の支えなしには対応困難である。

この負担感を解消してこそ「個人の尊厳にふさわしい処遇を保障される権利」の主体者として犯罪被害者を位置付けた犯罪被害者等基本法の理念にかなう。

「犯罪被害者等支援弁護士制度」の運用が開始されると、被害届の段階から、捜査機関や裁判所、行政機関への付き添いもしてくれる弁護士を法テラスが犯罪被害者に紹介する。

当然、弁護士費用の支払いで「生活の維持が困難となる恐れ」がある人には費用負担を求めない。この要件が幅広く認定できる制度にしてほしい。

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