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2025年1月10日

コラム「北斗七星」

「のみにくい」とのポップに引かれ思わず買ってみた。福島県は会津中央乳業の“飲むヨーグルト”である。紙パックにストローを刺し、試しに吸ってみた。ストローが詰まっているのかと思うほど飲むのに苦労する◆一般のヨーグルトよりも時間をかけて発酵させ、濃厚に仕上げているとのこと。どこか懐かしく「クリーミィ」な味わいが口の中で広がった◆同社の乳製品には愛らしい「お下げ髪の女の子」が描かれている。気になってホームページを見るとそのマーク誕生の物語が紹介されていた◆女の子のモデルは同社を創業した二瓶四郎氏の長女、孝子ちゃん。満州にいた一家の生活は、第二次世界大戦の敗戦で一変する。四郎氏はシベリアに抑留され、妻の文子さんは乳飲み子を連れて中国大陸を逃避行し日本本土をめざす。だが、食べ物もなく母乳も出なくなり、孝子ちゃんは栄養失調で他界した。帰国した四郎氏は会津で乳業の仕事を始める◆「あのとき牛乳があったら」「栄養があるものを食べさせることができていたなら」。マークには子を思う親の気持ちを込めたという。あれから80年。私たちは本当に豊かになったのか。親と子が飢えに苦しむことのない社会を心から願う。(川)

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