公明党トップ / ニュース / p38753

ニュース

2019年8月16日

ウィッグ購入費を助成

がん患者の外見ケア支援 
公明県議 自身の髪提供など寄り添い推進 
静岡県

ウィッグ購入費助成の実現を喜ぶ和田さん(左端)と党県議団のメンバー

静岡県は、がん治療で脱毛した人が着けるウィッグ(かつら)など、外見ケアに必要な装具の購入費を補助する制度を4月から開始しており、関係者から喜ばれている。推進したのは公明党県議団の早川育子、盛月寿美の両議員。「ヘアドネーション」に賛同し、自身の髪を伸ばして提供するなど支援の輪に加わりながら、患者の負担になっているウィッグの購入費などの助成を県に働き掛けてきた。

静岡県は、市町(政令市を除く)が装具購入費を助成する場合に、その半分を負担する。助成額の上限は、ウィッグと乳房手術後に使う補整下着が各2万円、人工乳房が10万円など。上限を超える部分は自己負担になる。県によると、熱海市と藤枝市がすでに外見ケア支援を実施しており、他の市町も検討を進めている(8月15日現在)。

脱毛は患者の外見を大きく変えるため、学校や職場に通う際のストレスになることが多く、特に子どもや若者、女性への影響は大きい。ウィッグは健康保険の対象外なので実費で購入しなければならず、経済的負担が重い。こうした中、NPO法人や企業などの社会貢献として生まれたものに「ヘアドネーション」がある。

盛月議員は、ヘアドネーションへの参加を目標として大切に髪を伸ばし、2017年に初めて髪を提供。寄付先の企業(大阪市)を訪問して現状などを聞いたほか、同年12月議会では自身の体験を報告し、共感を呼んだ。今年3月、2回目の寄付を行い、今は3回目をめざして髪を伸ばしている。

一方、早川議員は15年、がん治療で脱毛した和田ひろみさん(富士市在住)らに心中を打ち明けられた。和田さんは「外見ケアは大事」と強調するとともに、「特に小児がん患者の支援を強化してほしい」と要望した。これをきっかけに早川議員は、ウィッグや乳房補整具の購入費助成を県担当課に要請。昨年2月定例会でも求めた。早川議員も大阪市のNPO法人に髪を寄付した。

党県議団としても、17年に行った県への予算要望にウィッグ購入費の助成を盛り込み、推進。こうした活動が実を結び、県は今年度から助成制度を開始した。ウィッグなど外見ケア装具への助成のほか、40歳未満を対象に、妊娠する可能性を残す妊孕性温存治療と、小児・若年末期がん患者の在宅療養生活について、経費を支援していく。

和田さんは「公明党は小さな声を吸い上げ、寄り添ってくれる。ウィッグ購入や小児がん患者への助成が実現するとは思ってもいなかった。患者が前向きになれる支援だ」と語っている。

ヘアドネーション

国内外から寄付された人毛を材料にウィッグを作り、がん治療などで脱毛した子どもに無償提供する活動。NPO法人や企業が行っている。髪の寄付は誰でも参加できる。活動に賛同する美容院に行けば、髪をカットしてNPO法人などに無料で送付してくれる。行きつけの美容院、または自分でカットした髪をNPO法人などに送ってもよい(送料自己負担)。寄付できる髪は「15センチまたは31センチ以上の長さ」「完全に乾いている」などの条件を満たすもの。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア