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公明、合意形成リード
政治改革関連法が成立
中川康洋 党政治改革本部事務局長に聞く
24日閉幕した臨時国会では、使途公開の必要がない「政策活動費」の廃止や政治資金をチェックする第三者機関の設置、調査研究広報滞在費(旧文通費)改革などを実現する政治改革関連法が成立しました。公明党の取り組みについて、党政治改革本部事務局長を務める中川康洋衆院議員に聞きました。
使途公開の必要がない「政策活動費」
自民に迫り、廃止への流れを築く
――今回の政治改革の経緯は。
中川 先の通常国会では、自民党派閥の政治資金問題に対する再発防止策を中心に議論し、政治資金規正法の改正を成し遂げました。ただ、これは国民の信頼回復への第一歩に過ぎません。
例えば、公明党が主張して改正法に「設置する」と明記させた第三者機関の早期具体化や、使途の部分的な公開にとどまった政策活動費など、引き続き改革の必要性を強く感じてきました。
――公明党は政策活動費の廃止を訴えました。
中川 自民党をはじめ、立憲民主や日本維新の会、国民民主など各党と違い、公明党は政策活動費を支出したことがありません。必要性が分からないので、せめて使途は公開するべきだと求めてきました。
しかし9月の自民党総裁選で複数の候補者が廃止を訴えたことを受け、9月30日に自公連立政権合意を交わした会議の席上、公明党の西田実仁幹事長が「廃止を打ち出すべきではないか」と迫りました。その後、自民党は将来的な廃止も念頭に検討することを掲げましたから、この一幕が廃止につながる大きなインパクトを与えたと思います。
また、自民党が提案した一部支出を非公開にできる「公開方法工夫支出」の導入についても、会期末が迫る中、西田幹事長が「今の段階で国民の十分な理解は必ずしも得られていないのではないか」と指摘。これが、この規定削除と法案の一本化へ自民党の背中を押す決定打となりました。
政治資金を監視する「第三者機関」設置
国民民主と共同提案で賛同広がる
――第三者機関の具体化に向けても、通常国会の直後から精力的に議論を重ねてきました。
中川 10月4日に中間取りまとめを発表し、法案の要綱案を作成しました。そして11月の各党協議の席上、臨時国会で成案を得るよう訴え、おおむね共通認識を得ました。一方で、どう各党のイメージを集約していくかが大きな課題でした。
第三者機関には、調査や是正、公表といった実効的な機能、権限が必要です。そのため当初は、第三者機関を行政に置くことを考えました。しかし、石破茂首相が国会で「調査は国会の下に置いても可能」との見解を示したことを受け、公明案を参考に検討し、第三者機関を国会に置くとした国民民主党と法案を共同提出することにしました。
これが潮目を変える転換点となり、最終的に、この法案が幅広い賛同を得て成立しました。少数与党の国会における新たな合意形成のモデルができたと考えています。
――今後の課題は。
中川 今回成立した法律は第三者機関の全体像を示したプログラム法であるため、詳細な制度設計はこれからです。まずは共同提出した国民民主党と法制化に向けた作業チームを立ち上げ、議論を進めます。
企業・団体献金の禁止法案についても協議を継続することになりました。有識者の中でも意見が分かれていることから、専門家から幅広く意見を聴取し、検討していくことが必要です。
旧文通費 使途公開など公明の主張実る
――旧文通費改革については。
中川 成立した改正歳費法には、旧文通費の使途の公開、未使用分の返還が盛り込まれました。公明党が一貫して訴えてきた内容です。使途の範囲や公開方法などについては、2025年8月1日の改正法施行までに決めます。国民の理解が得られる内容になるよう取り組んでいく決意です。