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【主張】シリア政権移行 国際社会の人道復興支援が重要
中東のシリアで父子2代にわたり、53年間続いたアサド政権が崩壊し、独裁体制は終焉を迎えた。同政権の打倒で中核的な役割を果たした旧反政府組織「シャーム解放機構」(HTS)が主導している政権移行が平和的に進み、シリアに安定がもたらされるよう、日本を含む国際社会が支援していくべきである。
HTSは国際テロ組織アルカイダ系の勢力を前身とする組織であったため、米国や英国、国連、欧州連合(EU)などからテロ組織に指定されているが、今、この認識を改める必要に迫られている。
「イスラム主義に基づく愛国勢力」を自称するHTSは、アルカイダによるテロはシリアのためにならないとし、アルカイダとだいぶ前に決別した。また、かつてシリアで台頭していた過激派武装組織「イスラム国」(IS)についても、イスラム主義への恐怖を広げていると反発している。
2012年に駐シリア米大使を務めていたロバート・フォード氏は当時、HTSをテロ組織として指定するように米政府に進言したが、「HTSはむしろ、アルカイダやISと戦ってきた」と述懐し、現在、HTSをテロ組織と見るのは誤りだと指摘している。
シリアの政権移行を巡り、HTSの指導者のジャウラニ氏が「女性への教育の機会の保障」や「少数派や他宗教の保護」を掲げていることも評価できる。
国連が16日、シリアの首都ダマスカスに特使として派遣したフレッチャー事務次長(人権問題担当)は、ジャウラニ氏らと会談し、同氏らが人道支援要員を含む民間人の保護を打ち出したことを歓迎。シリア全域に人道支援を行き渡らせるべく、越境支援の受け入れ体制の整備を進めている。
米国も20日、政府高官をダマスカスに派遣し、政権移行における米国の支援策などについて、ジャウラニ氏らと協議を開始した。
アサド政権による長年の圧政と13年間続いた内戦で荒廃したシリアには、国際社会による人道復興支援が不可欠である。









