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補正予算案が衆院通過
賃上げ・所得増に重点
国民民主と維新も賛成 能登災害の復興加速
全ての世代の賃金・所得を増やすことをめざす総合経済対策の裏付けとなる2024年度補正予算案は、12日午後の衆院本会議で自民、公明の与党両党と日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。補正予算案の一般会計の歳出総額は13兆9433億円。国民民主は所得税が課され始める年収の「103万円の壁」見直しを巡る与党との合意を踏まえ、賛成に回った。維新は教育無償化協議開始に関する自公との合意を踏まえ、同日午前に賛成を決定した。
衆院予算委で大森氏が討論
補正予算案は、公明党の主張を踏まえ、物価高対策や中小企業の賃上げ促進、能登半島地震・豪雨災害からの復旧・復興の加速化に向けた支援などが盛り込まれている。
同日、本会議に先立つ衆院予算委員会で立憲民主党は、能登半島地震・豪雨の復興費用を事実上増額する一方、各種基金への支出削減を求めた。与党はこのうち、能登支援を反映した修正案を提出し、可決された。
予算委の賛成討論に立った公明党の大森江里子氏は、補正予算案を「物価高の国民生活を支え、誰一人取り残さない形で成長型経済への移行を進めるとともに、その礎となる国民の安心・安全を確保するための重要な予算だ」と力説。重点支援地方交付金を1.1兆円追加交付し、地域の実情に応じたきめ細かな対策の実行につながると評価した。
また、中小・小規模事業者が賃上げの原資を確保できるよう、生産性向上や省力化、成長投資など稼ぐ力を強化するための補助金、価格転嫁の促進などに加え、既存基金の活用なども含め1兆円を上回る規模で支援することを強調した。
このほか、能登半島地震・豪雨災害による被災者支援や、全国の防災対策の強化として、避難所環境を改善する対策が前進すると力説。公明党が一貫して取り組んできた学校体育館のエアコン整備を加速する交付金の創設なども盛り込まれたとし、補正予算案の早期成立と迅速な執行を求めた。
福重氏は集中審議で質疑
同日の衆院予算委では、石破茂首相らが出席し、内外の諸課題に関する集中審議を行い、公明党の福重隆浩氏が地方創生の取り組みなどについて質問した。
自公維政調会長、政策協議で合意
教育無償化など
自民、公明の与党両党と日本維新の会の政務調査会長は12日午前、衆院第2議員会館で会談し、継続的に政策協議を行うことで合意した。その上で、教育の分野については3党で専門のチームを設け、無償化を含めた議論を進めることとした。会談後、公明党の岡本三成政調会長は記者団に対し、政策について今後も幅広く各党と議論していく考えを示した。
熟議と合意形成の結果
斉藤代表
公明党の斉藤鉄夫代表は12日夕、国会内で記者団に対し、2024年度補正予算案が衆院を通過したことについて「熟議と合意形成の結果だ。野党の皆さんとも真摯に話し合った結果として、国民民主党と日本維新の会の賛同を得ることができた」と述べた。
その上で「できるだけ早く補正予算案を実行に移し、国民生活を安定させ、能登半島への支援を行っていきたい」との考えを示した。