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2024年11月27日

聴覚障がい者に文字で伝える 要約筆記者の養成講座

5人修了、来年度も開催 
中途失聴者「長年の願いかなった」 
新潟・糸魚川市

「聴覚障がい者の情報格差解消につながる大きな一歩に感無量」――。満面の笑みを浮かべながら語ったのは、新潟県糸魚川市に住む中途失聴者の横田和子さん。会議や講演会で話されている内容をその場で文字にして伝える「要約筆記者」の養成講座を同市が初めて開催したことを喜ぶ。

要約筆記者の養成講座開催を喜び合う横田さん(左)と保坂市議

要約筆記は、手話が使えない中途失聴者や難聴者のためのコミュニケーションツールの一つ。要約筆記者が手書きやパソコン入力した文字をスクリーンなどに映し出し、内容を伝える。

市は要約筆記の基礎知識を学ぶ養成講座を7、8の両月で全4回、計8時間の日程で開催し、5人が修了証書を受け取った。今後、同市に隣接する上越市で活動する「上越要約筆記サークル」などと交流を重ねる予定で、市福祉事務所は「さらなるスキルアップを図り、要約筆記者として活躍してもらいたい」と期待を寄せる。市は2025年度以降も、養成講座を開催する。

市内の聴覚障がい者数は184人(4月1日現在)で、難聴者はさらに多く存在すると見込まれる。その一方で、市内に要約筆記者はおらず、利用希望者がいた場合は市が市外の上越要約筆記サークルなどに依頼するほかなかった。「夜の講演会に参加したくても、わざわざ上越市から来てもらうのは申し訳なく、諦めることもあった」と横田さんは複雑な思いを抱いていた。

「市内で要約筆記者を養成してほしい」と横田さんから切実な要望を受けた公明党の保坂悟・糸魚川市議は昨年12月定例会で「聴覚障がい者のうち手話が分かる方は15%程度しかいない」と強調し、要約筆記者の養成を提案していた。

実現を受けて横田さんは「子どもの授業参観に参加しても全く内容が聞き取れず、切ない思いをしたこともある。親身になって相談に乗り、長年の願いをかなえてくれた保坂議員には感謝してもし切れない」と話した。保坂市議は「これからも情報バリアフリーの充実に全力を注ぐ」と誓った。

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