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核廃絶「橋渡し」進めよ
核禁条約会合にオブザーバー参加すべき
「日本被団協」の活動支援も
斉藤代表らが首相に要請
公明党の斉藤鉄夫代表は27日、首相官邸で石破茂首相と会い、来年3月に核兵器禁止条約締約国会議が開かれることを踏まえ、日本政府が会議にオブザーバー参加し、核保有国と非保有国の橋渡し役を担うよう求める「被爆80年を目前にした緊急要請」を申し入れた。竹谷とし子代表代行、谷合正明核廃絶推進委員長(参院会長)、杉久武青年委員長(参院議員)、田中勝・広島市議、向山宗子・長崎市議らが同席した。
緊急要請を石破首相(中央)に申し入れる斉藤代表(左隣)ら=27日 首相官邸
席上、斉藤代表は、核軍縮を巡る世界情勢について、ウクライナを侵略するロシアの核ドクトリン(核抑止力の国家政策指針)改定や北朝鮮の動向などを念頭に「(核兵器が)あすにでも使われるかもしれないという危機的な状況にある」と指摘。唯一の戦争被爆国である日本が「核保有国と非保有国の橋渡し役を担うべきだ」と力説した。
具体的には、日本政府として核禁条約締約国会議にオブザーバー参加し、被爆の実相を通して核兵器の非人道性の共有を図るなど積極的な役割を果たすべきだと訴えた。
石破首相は、核廃絶に向けた議論について「唯一の被爆国である日本が最も強い説得力を持つ」との考えを表明。その上で、日本と同様に米国の“核の傘”の下にあるドイツがオブザーバー参加していることから「ドイツでどのような議論があって参加に至ったのか、今どのような議論を行っているのかを検証する必要がある」と述べた。
また斉藤代表は、今年のノーベル平和賞に日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の受賞が決まったことに言及。来月ノルウェーの首都オスロで行われる授賞式などに参加する日本被団協の代表団らに対し、現地で滞りなく活動を行えるよう滞在先や移動の安全確保、通訳の提供など最大限の支援を行うよう要請した。これに対し石破首相は「しっかり行う。外務省に指示したい」と応じた。
斉藤代表らは28日、同様の要請を岩屋毅外相にも申し入れる予定。