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2019年8月15日

【主張】農作物の盗難 産地ぐるみで防犯態勢の強化を

農家が丹精を込めて育てた野菜や果物など農作物の盗難被害が相次いでおり、警察庁によると全国で年間約3000件に上る。特に、9月から11月までの秋の収穫期に多発しており、盗難被害全体の45%以上を占めるというから、今から注意を喚起する必要がある。

農家は現在、経済的な苦境に直面している。豪雨や猛暑の影響で、農作物の深刻な不作が続いているためだ。

その結果、野菜相場も低迷している。主要14品目の野菜の1キロ当たりの平均価格をまとめた日農平均価格は、昨年11月から今年7月までの半年以上の間、過去5年間の平均価格と比べ、2割ほど下回って推移している。

こうした状況下で、盗難被害に遭った農家のショックは計り知れず、営農意欲を失ってしまうことも少なくない。

この事態を重く受け止めた農林水産省は、農作物の盗難被害に関する初の実態調査を実施。その結果と防止策をまとめたパンフレットを今年6月に公表した。

それによれば、昨年度の盗難被害のうち、犯人が見つかるなどして解決した事例は、わずか1割にとどまる。農作物が盗まれてしまえば、犯人を特定し、賠償請求したりすることは困難であるという現状が浮き彫りになっている。

だからこそ、防犯が重要である。農水省が示している対策を参考にしたい。

農水省の調査によると、盗難被害が最も多い場所は、農作物を育てる田畑や農園などの圃場であるという。

しかし、広大な圃場を所有する農家の場合、収穫を業者に委託していることも多い。窃盗団が紛れていても、業者の収穫と見分けが付かず、白昼堂々と盗まれてしまうこともある。青森県で昨年10月、りんごが1万3000個も盗まれるなど、農作物の大量盗難のケースも目立つ。

高齢化や人手不足に悩む農家だけでの対策には限界がある。そこで、農水省は、自治体や警察など複数の組織が連携してパトロールを行うなどの防犯対策が有効であると提案している。こうした対策を実施している自治体では、盗難が減るなどの効果が見られたという。産地ぐるみの防犯態勢の強化を進めたい。

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