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コラム「北斗七星」
公明党の歴史は国民から託された夢や希望を実現する歩みだった。“還暦”を迎えて新出発するに当たり、福島智東京大学特任教授の声に耳を傾けたい◆全く見えず、全く聞こえない「全盲ろう者」であり、人と社会のバリアフリー化を研究する立場から、公明党の役割について「あらゆる人が『生きているだけで価値がある』と称賛される社会の仕組みづくりに率先して取り組むことを期待したい」(月刊「公明」11月号)◆これまでに多くの差別を受けた。「自分の体が透明になってしまうような、『凍えるような寒さ』を感じるような経験」と告白する。だからこそバリアフリー化に熱心な公明党を頼りにしている◆戦時中は兵士としての有能さ、戦後は経済的な活動での優劣が問われ、「私たちの意識の地下水脈には、優生思想的な能力主義万能の価値観が脈々と流れ続けている」。障がい者と健常者、あるいはそれぞれの中でも決定的な能力差がある。その現実を見て見ぬふりをしつつ“人には無限の可能性がある”など、いびつなスローガンが流布されていることに疑問を投げ掛ける◆人間の存在価値とは。人間主義を掲げる公明党に頂いた“重い宿題”に向き合っていきたい。(花)