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2024年11月5日

ニーズ高まる“学べる居場所”(フリースクール)

不登校でも出席扱い 
神奈川・海老名市

全国の小中学校で不登校児童生徒が約35万人を数える中、“学べる居場所”としてフリースクールのニーズが高まり、授業料を補助する自治体の動きが広がっている。このほど神奈川県海老名市のフリースクールを訪ねると、通学する児童生徒の楽しそうな姿が見られた。

海老名市にある「SACHI station(さちステーション)」は、市内外の小中学生20人が所属するフリースクール。体験活動を中心に授業を展開し、子どもの社会的自立や生活力向上を支援している。

みんなでコロッケ作りに励む様子

この日は子どもたちが皆で考えた昼食メニューを協力して調理する体験活動「みんなでクッキング」が企画され、コロッケ作りに挑戦した。

子どもたちは、ゆでたジャガイモをマッシャーでつぶしたり、小判型に整えたコロッケのタネにパン粉をまぶして衣を付けたりと、慣れない作業にコミュニケーションを取り合いながら挑戦。「一人では絶対に作れなかった」とコロッケの完成を喜んだ小学5年生のAさんは、できたてのコロッケを頰張り「みんなで食べるとおいしい!」と満面の笑みを浮かべた。

さちステーションのようなフリースクールでの体験活動は、在籍校の学校長が承認すれば授業の出席扱いとなるのが特長だ。さらに、さちステーションに通う子どもたちの様子に変化も。中学3年生のBさんは、中学校でクラスの雰囲気になじめず1年生の時に不登校になった。さちステーションに通う中、「相談に乗ってもらえて行きたい高校が見つかった」と語り、現在、受験勉強に励んでいる。

「みんなに会えるのがうれしい」

また、“何となく”学校に行きたくなくなったという中学2年生のCさんは、休日も含め、ほぼ毎日さちステーションに通っている。「みんなに会えるのがうれしい。第2の家のような場所」と話す。

海老名市によると、市内で不登校の児童生徒数は現在398人と過去最多だという。さちステーションの久保美絵代表は、「不登校で悩む子どもや親に、学校以外にも学びや居場所の選択肢があることを知ってほしい」と力を込める。

授業料の半額を補助 所得制限なし、市外も適用
月最大1万5000円

さちステーションの久保代表(左端)と懇談する(右隣から)星、戸沢幸雄、大下久美の各市議

海老名市は7月から、経済的な理由でフリースクールの利用を諦めることがないよう、毎月の授業料を約2分の1(最大1万5000円)ずつ補助する制度を始めた。

補助対象は、在籍する学校に30日以上登校しておらず、フリースクールを利用している市内の小中学生。誰もが利用できるよう所得制限は設けていない。隣接市など市外のフリースクールへ市内から通う子どもにも補助が適用される。市担当課は補助制度について「子どもたちが次の一歩を踏み出す助けになれば」と話す。

公明党の星伸一市議は2023年12月定例会から、不登校児童生徒の学習機会確保や、選択肢の充実に向けた取り組みを一貫して推進。今年3月の定例会では、フリースクールにかかる費用助成を強く求めていた。

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