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党臨時全国大会でのあいさつ(要旨)斉藤鉄夫代表
清新で温かい党構築に全力
立党精神に立ち返り前進開始
ただいま皆さまの信任を賜り、公明党代表として選んでいただきました。国民の皆さまのご期待に応えられる清新で温かい公明党の構築をめざして全力を挙げて頑張る決意です。どうか、党員、支持者の皆さま、ご協力をよろしくお願いいたします。
新たな党発展に向け、石井前代表には引き続きご指導を賜ります。どうかよろしくお願い申し上げます。
このたびの人事で、竹谷とし子・女性委員長を代表代行とさせていただきました。新しい時代に女性の力は欠かせません。これからは代表と同格の立場で戦っていただきます。
■衆院選の御礼
衆院選につきましては、20年を超す連立政権で与党として数多くの実績を積んだものの、政治とカネの逆風の中で、それを押し返すだけの党の独自性や公明党らしさを十分に発揮できませんでした。全国の地方議員、そして党員、支持者の皆さまには、寝食を忘れ昼夜を分かたず、血のにじむようなご支援をいただいたにもかかわらず、それを勝利に結び付けられなかったのは、党の力量不足にほかならず、誠に申し訳なく思っております。
この結果を党全体が真摯に受け止め、しっかりと総括し、次の新しいスタートを切らなければなりません。
■結党60年
そのために、まず原点に立ち返り、そこから再出発したいと考えます。公明党は今月17日に結党60年の節目を迎えます。60年は人間の年齢で言えば還暦に当たります。還暦には「新しく出発する」という意味がございます。
党創立者である池田大作・創価学会第三代会長が示された「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」との立党精神・原点に今一度立ち返り、党として新しい出発をしたいと思います。
私が初当選した時、ある女性先輩議員が不安な面持ちでいる私に対して「斉藤さん、目の前の一人一人に最大限の尊敬を払い、大切にすることよ。大丈夫よ」と教えてくれました。その言葉を、政治家としての原点として大事にしながら、皆さんと誠実に接してきたつもりです。
私たち公明党の議員は、これからも大衆・庶民の中に飛び込み、党の持ち味である「小さな声を聴く力」と「国と地方とのネットワークによる政策実現力」を遺憾なく発揮し、皆さんの願いを具体的なカタチとして実現してまいりたい。その闘いに全党一丸となって立ち上がれば、必ず党の反転攻勢は大きく前進すると確信しております。
まず、私が先頭に立ち戦ってまいります。どうか全国の皆さまのお力を賜りますように、心からお願い申し上げます。
■党の基本的考え
次に、公明党のあり方について、基本的な考え方を申し上げたいと思います。
5日、投開票が行われた米国大統領選挙で当選した共和党のトランプ次期大統領が勝利演説で強調したテーマは、「分断から結束」を呼び掛けるものでした。それは、民主党のハリス副大統領が終盤戦に訴えたこととも共通するものでした。世界全体の情勢に目を転じても、いかに分断を乗り越え、協調への流れを作り出していくのか。これは、人類に突き付けられたテーマであり、この時代に生きる、全ての政治家に課せられた最大の使命と言っても過言ではありません。
わが国においても、過日の衆院選では、「若者のための政治か、あるいは高齢者のための政治か」と言ったような、世代間対立をあおりかねない言説が飛び交ったことが指摘されています。
しかし、世界に類例を見ない少子高齢化、人口減少に直面しているわが国において、世代、性別、国籍、あるいは障がいの有無を問わず、この国に生きる全ての人々が持てる力を最大限、引き出していく知恵と、かじ取りなくして、日本の明るい未来を切り開けないことは、火を見るよりも明らかです。
政治は手段であり、その目的は国民の幸福と世界平和です。私たち公明党は、分断によってエネルギーを得るような政治手法とは一線を画し、どこまでも人間中心の中道政治を徹底して貫いてまいりたい。
これからは、世代を超えた支え合いのシステムである「全世代型社会保障」を時代に即してアップデートし、それを財政面から支える礎たる日本経済を、少子高齢化を乗り越える水準にまで活性化することが不可欠です。
そのためにも、国際的に見ても伸びしろが大きく、7割の人々が働く中小企業・小規模事業者、あるいは個人事業主の生産性を大幅に向上させる改革を進めることで、稼ぐ力をアップし、多くの働く人々が「これからは毎年、賃金が上がっていく」と明るい展望を持てる経済社会を築いていかなければなりません。
その実現に向けて、当面の個人消費を下支えする物価高対策も急務です。秋の臨時国会で補正予算を成立させ、給付金やエネルギー補助金を延長していく。さらには、低所得の方や年金で生活されている方のみならず、7日、石破茂首相へ申し入れた「より幅広い生活者への支援」を具体的に立案し、実行してまいりたいと思います。
こうした不断の取り組みによって経済の強靱化を進め、国民所得を向上させる中で、子育てや介護など誰もが直面し得るステージを、国民が能力に応じて互いに支え合う温かな社会こそ、大衆福祉と人間主義を掲げてきた公明党がめざすべき社会像です。
分断ではなく、協調へ。そのために改革を断行し、あらゆる偏りを是正する。女性も、若者も、高齢者も、外国人も、この国に生きる全ての人々が納得し、共に課題を乗り越え、より絆を深め合っていくような社会の構築へ、多様な一人一人の声を真正面から受け止めることができる公明党が先頭に立ち、未来に向かって切り開いていきたいと思います。
■核軍縮・廃絶へ
加えて、広島選出の衆院議員、公明党代表として、ぜひ実現したいことがあります。党としてこれまで強く主張してまいりました、核兵器禁止条約締約国会議への日本のオブザーバー参加です。来年は「戦後80年」「被爆80年」の節目です。来春をめどに、党として「平和創出ビジョン」を策定します。日本は唯一の戦争被爆国です。約30年前、公明党の提案で原爆ドームの世界遺産化が決まりました。被爆者問題、核軍縮・廃絶に全力で取り組んでまいりました。壁を一つ一つ乗り越え、実現に向け全力を挙げてまいります。
さて、11日に特別国会が召集されます。首班指名では自民、公明を中心とする政権を継続させねばなりません。そして、今回の選挙戦で最大の焦点となった政治改革を断行し、物価高対策、継続的な賃上げなどの当面の課題に全力で取り組むとともに、衆院選で国民にお約束した公約の実現に力を尽くしていきたいと思います。
■来夏の都議選、参院選、統一外地方選に必ず勝つ
来年は年頭から、北九州市議選など大型の統一外地方選が相次ぎ、夏には都議選と参院選が行われます。「次は勝つ! 必ず勝つ!」と決め、どんな困難な状況も乗り越えて、断じて勝利しようではありませんか。
さあ、きょうよりは全議員が一致結束し、国民の皆さまから信頼される公明党の構築をめざし、また、来年の都議選、参院選、統一外地方選、全てに勝利すべく、戦っていこうではありませんか。私自身、その先頭に立って死に物狂いで戦い抜く決意です。共に頑張っていこうではありませんか。ありがとうございました。