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中小企業の賃上げ支援
今年度の最低賃金 全都道府県で適用開始
2024年度の最低賃金が10月27日までに、全ての都道府県で適用された。平均の引き上げ額は過去最大となる51円で、最低賃金の全国加重平均は1055円に。先の衆院選の重点政策で「5年以内に1500円」の達成を掲げた公明党は、企業の賃上げを応援する制度作りを主導してきた。ここでは、最低賃金の引き上げに伴う負担増加が懸念されている中小企業への支援策を紹介する。
生産性向上投資に助成
最大600万円、優遇措置も
支援策の一つが、最低賃金を一定額以上引き上げる中小企業の設備投資を支援する「業務改善助成金」だ。生産性向上を促すことで、賃上げの原資確保につなげる狙いがある。
同助成金は最低賃金の引き上げ幅などに応じて支援額が決まる。30、45、60、90円以上の4コースがあり、最大600万円を助成。事業場規模30人未満の企業に対しては助成額を上乗せする優遇措置もある。助成率は企業が適用する最低賃金の金額に応じ、「4分の3」から「10分の9」まで分かれている。
最低賃金の引き上げを契機に、非正規雇用労働者の処遇改善などに取り組む事業者は「キャリアアップ助成金」も活用できる。基本給を3%以上5%未満増額した場合は1人当たり5万円、5%以上増額の場合は同6万5000円の助成を受けられる。
業務効率化に効果的な製品・サービスの導入を支援する「IT導入補助金」については、各都道府県ごとに定められている最低賃金「+50円以上の水準」などを達成できた際には、補助金審査で加点措置を得られ、採択を受けやすくなる。
上限は最大450万円で、補助率は「2分の1」から「5分の4」。
促進税制、取引適正化
給与引き上げ分45%控除
従業員の賃金を引き上げた企業が使える税制も年々拡充されている。中でも、雇用者の賃上げ率が前年度比で+2.5%に達するなどの要件を満たした中小企業は、給与などの支払い増加分の最大45%を法人税から控除し、税負担を軽減することができる。
赤字の中小企業にも恩恵が及ぶよう、控除しきれなかった金額を5年間繰り越せる制度も今年度から始まった。
下請け取引の適正化へ、大企業と中小企業との間で、価格転嫁が適切に行われているかを監督する「下請Gメン」による調査も積極的に進めている。
また、毎年3、9月を「価格交渉促進月間」に設定。中小企業約30万社へのアンケート結果を基に、価格転嫁に向けた取り組みが不十分な企業名を公表するなどの措置を講じている。
政府は今後、価格転嫁のさらなる促進をめざし、下請法改正も視野に、対策を検討している。