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高齢者に冷たい維新に広がる怒り
■医療費窓口負担を「3割」に!?/病院に行かず重症化リスクも
高齢者の医療費窓口負担を「3割」に!?――。日本維新の会が衆院選向け公約でぶち上げた政策に対し、高齢者の不満と不信の声が渦巻いている。
この維新の政策に対し、公明党の石井啓一代表は、12日に行われた日本記者クラブ主催の「党首討論会」で「窓口での支払いを嫌って、医療にアクセスしない高齢者が圧倒的に増える。高齢者に対して、あまりにも冷たい政策ではないか」と糾弾した。
維新の公約によると「現役世代の社会保険料負担の軽減」が目的だというが、高齢者の医療費負担を増やせば、病院に行かず、重症化するリスクも増える。そうなれば結果的に現役世代の負担も増加することになるのは想像に難くない。
党首討論会では、高齢者の医療費窓口負担を3割に増やした場合、どれくらいの負担増を見込んでいるか問われた維新の馬場伸幸代表は、具体的な数字を示すことができなかった。
具体的な課題を把握せず、「改革」の名の下に無茶で乱暴な政策を打ち出すのはあまりに無責任ではないか。
■日本一高い大阪市の介護保険料/健康寿命の延伸施策に後ろ向き
一方、維新への支持が高い大阪市で、ここ数年、全国平均をはるかに上回る「日本一高い介護保険料」となっているのも問題だ。
市区町村ごとに3年に1度改定される「介護保険料」。今年発表された第9期(2024年度~26年度)の介護保険料改定で、大阪市の介護保険料基準額は月額9249円に。前期の第8期(21年度~23年度)の8094円から1155円もアップ。率にして14.3%の引き上げとなった。これは全国の平均月額6225円よりも3000円以上も高く、年額10万円を超える。
維新が大阪府・市の首長を担い、議会でも第1党を占めるようになって十数年。この間、“身を切る改革”のパフォーマンスを優先し、健康寿命を延伸させる地道な取り組みには後ろ向きな行政が続いたと言われる。「高齢者に冷たい維新!」との大阪市民の怒りは急速に広がっている。