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大阪初の世界文化遺産に!
百舌鳥・古市古墳群
街中に残る“日本の宝”
観光客増へ、魅力さらに発信
大阪初の世界遺産が誕生!――。先月6日、アゼルバイジャンの首都・バクーで開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で、日本が推薦した「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府堺市、羽曳野市、藤井寺市)が世界文化遺産に正式に登録されました。国内の世界文化遺産としては19件目。地元は喜びに沸くとともに、古墳の価値と魅力を伝える取り組みに力を入れています。
百舌鳥・古市古墳群は、古墳時代最盛期の4世紀後半から5世紀後半にかけ、当時の政治や文化の中心地の一つだった大阪平野の南部に築かれたものです。200基以上が築造され、うち89基が現存。中でも保存状態の良い49基を政府が推薦し、世界文化遺産に登録されました。
構成資産は、墳丘の全長が486メートルで国内最大の前方後円墳である仁徳天皇陵古墳(大山古墳)を含む百舌鳥エリア(堺市)と、国内2位の応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳)などがある古市エリア(羽曳野市、藤井寺市)の各4キロ四方の中に点在しています。
墳墓の多様な大きさや形状は、被葬者の権力や身分の階層を示すものとされ、刀剣や馬具などの副葬品や埴輪などが多く出土。ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)は「傑出した古墳時代の埋葬の伝統と社会政治的構造を証明している」と高く評価しています。
仁徳天皇陵の拝所を訪れると、多くの観光客らを相手に古墳の歴史や逸話などを語る観光ボランティアが汗を流しています。NPO法人堺観光ボランティア協会の中村博司さん(71)は「訪れる人は1.5倍ぐらいに増えています」と“世界遺産効果”を語っていました。
VR使い“空中遊覧”も
周遊アプリを使い、古墳の築造当時の様子をVR映像で楽しむ観光客
課題だったのは、地上からは全体像が分からない古墳群の“見せ方”。そこで、堺市博物館ではVR(仮想現実)を活用し、仁徳天皇陵などの空中遊覧を疑似体験できるツアーを実施しています。葺き石が敷き詰められ、無数の埴輪が並ぶ築造まもない古墳を再現したCGは圧巻。富山県から家族と訪れていた小学6年生の男子は「タイムスリップしたみたい」と笑顔を輝かせていました。
このほか、両古墳群に対応するスマートフォン向けの周遊アプリを配信中。VRやAR(拡張現実)を使い、楽しみながら古墳巡りができると好評です。
「バッタ捕まえた!」。古市古墳群の一つ、古室山古墳(藤井寺市)の丘頂では、虫たちを追い掛ける子どもたちの姿が。古市古墳群は“上れる古墳”の多いことが特徴で、同古墳近くに住む西川百合子さん(38)は「昔から変わらない子どもたちの遊び場です」と話していました。
こうして地域住民に親しまれ続けてきた古墳を、いかに次世代に継承するかも重要な課題です。戦後の復興期には、宅地開発で取り壊された古墳も少なくありません。いたすけ古墳(堺市)は住民の反対運動などを受け、市が買い取り、1956年に国史跡に。その後、各地で広がる古墳の保全運動のきっかけとなりました。
2006年から仁徳天皇陵古墳の清掃活動を行っている地元の住民団体「仁徳陵をまもり隊」事務局長の草野利夫さん(66)は、世界遺産登録の決定を聞き「地域の人たちが代々守ってきてくれたから」と感謝を口に。「世界でも珍しい、街中にある“日本の宝”を若い人たちに伝えていきたい」と力を込めていました。
古墳の価値を次世代へ
公明党副代表 北側一雄氏
地元をはじめ多くの方々の長年にわたる努力が結実し、感慨もひとしおです。
私が国土交通大臣を務めていた2004年、当時の堺市長からの要望を契機として、文化庁の世界遺産暫定一覧表への記載が10年に実現。また、15年には超党派の国会議員による推進議員連盟を設立。私も議連の幹事長として政府への要望活動や現地視察を重ね、17年7月の国内推薦獲得、このたびの世界文化遺産登録を後押ししてきました。
古墳の価値を将来の世代に引き継ぐため、今後も適切に保全・管理し、大阪の魅力を国内外に発信していけるよう全力を挙げます。











