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政府が検討を始めたハンセン病の元患者家族に対する新たな補償措置と、新首相が就任した英国の欧州連合(EU)離脱を巡る動きについて解説する。
ハンセン病 新たな補償
党ハンセン病家族救済対策本部の初会合では厚労省などからヒアリングを行った=2日 衆院第2議員会館
元患者の家族への賠償を国に求めた熊本地裁判決に政府が控訴せず。首相は新たな補償措置の検討を表明。
Q 政府がハンセン病元患者家族に対する新たな補償措置を検討することになった。
A 熊本地裁が、ハンセン病元患者家族への賠償を国に命じる判決を下した。これに対し、政府は控訴しないことを表明。同地裁判決が確定することになった。ハンセン病に対する社会的に極めて厳しい差別や偏見が患者だけでなく、その家族にも向けられていたことを、政府は反省し謝罪するとともに、原告以外の家族にも新たな補償措置を講じる方針を明らかにした。
Q そもそも、ハンセン病を巡る問題とは。
A ハンセン病は、らい菌により皮膚や末梢神経が侵される慢性感染症だ。感染力は極めて弱い。しかし治療薬がない時代には、手足の変形など後遺症を残すことがあったため、治療が困難で感染力が強い病と恐れられた。患者は隔離され結婚や就職を拒まれるなど差別や偏見に苦しんだ。戦後、治療薬が普及した後も国の隔離政策は継続され、1996年の「らい予防法」廃止まで89年間続いた。
Q 公明党の取り組みは。
A ハンセン病を巡る問題について、公明党は元患者の人権回復を最優先に全力で取り組んできた。
2001年5月、熊本地裁が国の隔離政策を憲法違反と断じ、国に賠償を命じた際には、坂口力厚生労働相(当時、公明党)が辞任覚悟で首相に直談判するなどして、控訴断念の政治決断を導いた。
翌6月には議員立法でハンセン病補償法が成立し、元患者らが補償金を受け取る仕組みができた。08年6月には、国立ハンセン病療養所の地域開放を可能とし、入所者が「孤立」することなく、安心して老後を過ごせるようにするための「ハンセン病問題基本法」(議員立法)が成立した。
今回の熊本地裁判決に対する政府の控訴見送りを受け、公明党は、これまで党内にあった対策検討プロジェクトチームを発展的に改組し「ハンセン病家族救済対策本部」を先月設置、今月2日に初会合を開いた。会合では、措置の内容を検討するために始まった原告団・弁護団と厚労省による協議を注視しつつ、ハンセン病に関する超党派の議員懇談会と連携していく認識で一致。党対策本部として今後、原告以外の家族を含めた補償に向けた立法措置について、当事者に寄り添った内容をめざす方針だ。
英新首相とEU離脱
EU側と合意なしでも10月末に離脱すると強硬姿勢を鮮明に。世界経済への悪影響が懸念されている。
Q 英国で新しい首相が誕生した。
A 与党・保守党の新党首に選出されたボリス・ジョンソン氏だ。EU離脱問題では強硬派の代表格で、首相就任後の演説でも、EUからの離脱期限である10月末に「必ず離脱する」と宣言した。
Q なぜ英国はEUから離脱したいのか。
A EUの域内であれば、モノやサービスをやりとりしても関税がかからない。人の移動も国境に関係なく自由だ。ところが英国内で近年、東欧諸国からの大量の移民流入により、雇用や福祉サービスが不当に奪われているという国民の反EU感情が高まった。EUの過剰な規制に対しても反発が強くなり、2016年6月に国民投票を行った結果、EU離脱支持が多数を占めた。
Q 簡単に離脱できるのか。
A 期限までにEUを円満に離脱するには、英議会で過半数の賛成を得られる離脱協定案をまとめ直す必要がある。ただ、議会は強硬派、穏健派、EU残留派に分かれ、それぞれが譲歩を拒んでいる。メイ前首相がEUとまとめた離脱協定案は、何度も英議会で否決された。EU側も協定案の再交渉を拒否する姿勢を堅持しており、「合意なき離脱」は避けられないとの見方が強まっている。
ただ今月1日に行われた下院補欠選挙で与党・保守党が議席を失い、EU残留を訴える野党候補が当選。これにより、下院の議席数は与党側320、野党側319と1議席差となった。厳しい政権運営を迫られそうだ。
Q 「合意なき離脱」となった場合、他国への影響は。
A 金融や貿易など、さまざまな分野で悪影響が予想される。国境を越えた物流が停滞し、新たな関税負担などで現地に進出している日系企業にも影響が及ぶのは必至だ。今月下旬にフランスで開かれる先進7カ国(G7)首脳会議では、安倍晋三首相がジョンソン氏と会談する見込みだ。首相は「合意なき離脱」の回避を促すとみられている。ジョンソン氏の動向に国際社会の注目が集まっている。










