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再審制度、抜本的検証すべき
大口氏、袴田さん無罪判決で訴え
超党派議連、控訴断念求める
袴田さんの姉ひで子さん(左)が参加した緊急集会であいさつする大口氏(中)=2日 衆院第1議員会館
1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で、静岡地裁の再審公判で無罪判決が言い渡された袴田巌さん(88)を支援する実行委員会などは2日、衆院第1議員会館で緊急集会を開いた。これには、超党派でつくる袴田巌死刑囚救援議員連盟の世話人で公明党の大口善徳衆院議員が出席し、あいさつした。
大口氏は、今回の判決で捜査機関による証拠のねつ造が認定されたことについて「検察側が控訴するのは人道的に許されるものではない。立法府の責任として再審制度を抜本的に検証すべきであり、そうした行動を一段と強めなければならない」と訴えた。
袴田さんに代わり登壇した姉ひで子さん(91)は「裁判長から『被告人を無罪に』と告げられた時はうれしくて涙があふれてきた。皆さまの支援の後押しに心から感謝したい」と語った。
これに先立ち、同議連は法務省を訪れ、検察側が判決を不服として控訴した場合、法相の指揮権で取り下げるよう求める要請書を提出した。
控訴期限は10日。検察側が控訴しなければ、無罪が確定する。