ニュース
不登校の児童生徒支援
欠席中の学習、成績に反映
法令改正での努力を評価、自立後押し
文部科学省は、不登校の児童生徒が欠席中に行った学習の成果を成績に反映できることを法令上明確化するため、学校教育法施行規則を改正した。公明党の訴えを反映したもので、子どもたちが努力した成果を適切に評価して自立を後押しするのが目的。8月29日付で関係法令を公布・施行し、各都道府県教育委員会などにも通知した。
今回の改正は、不登校児童生徒の成績評価を行う際、学校の判断で欠席中の学習成果を考慮できることとするもの。学習の計画や内容が教育課程に照らして適切であることや、学校と保護者、民間団体などの間で十分な連携・協力関係が保たれていることなど一定の要件も設けている。
具体的には、フリースクールで学ぶ児童生徒の状況を施設側が学校に定期報告する体制を整えた上で、学習成果を成績に反映するといった対応が想定されている。同省は2019年、こうした対応が可能だと通知を出していたが、今回の改正で法令上にも規定し適切な対応につなげる。
不登校の小中学生は近年増え続けており、22年度は全国で約30万人を数えた。このうち学校内外の機関で相談・指導などを受けているのは全体の約6割に上る。盛山正仁文科相は8月30日の会見で「懸命に学習を続けている児童生徒の努力を学校として評価し、支援することが重要」と改正の意義を強調した。
■公明、文科省に提言
不登校期間の学びを巡って公明党文部科学部会(部会長=浮島智子衆院議員)は6月、欠席中の成績評価を法令上明確化するよう盛山文科相に提言。盛山文科相は「学校教育法施行規則の改正も含め検討したい」と回答していた。