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コラム「北斗七星」
黒人のローザ・パークスさんが白人乗客にバスの席を譲ることを拒否し、逮捕されたことに端を発する「バス・ボイコット運動」が1955年、米国モンゴメリーで始まる。この時、リーダーに就任するのが、まだ無名の存在だったキング牧師である◆同運動は解雇や不当逮捕、教会やリーダー宅の爆破など卑劣な妨害行為を乗り越え、白人を含めた多くの住民の賛同を得て広がり、継続していく。パークスさん逮捕から1年後、連邦最高裁判所は白人と黒人の座席分離は「違憲」と歴史的な判決を下した◆さらに、64年には人種差別を禁ずる「公民権法」が成立。キング氏は非暴力の抗議活動を主導した功績でノーベル平和賞を受賞する。今年は60年の節目となる◆先日、近所に住む議員OBの壮年に、公明党結党当時のことを聞いてみた。壮年は一労働者であったが、新しいことが始まるとの大きなうねりを感じたそうだ。後に議員に推されたときは、「この運動であれば悔いなし」と立候補の決意ができたと教えてくれた◆「庶民の汗と涙の分かる政党、政治家はいないのか」との衆望を受け、公明党は立ち上がった。以来60年間、常に「大衆とともに」前進してきたことが誇りだ。(歩)