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2024年9月10日

【主張】ウクライナ地雷除去 日本のAI活用技術を役立てたい

地雷が敷設されている地域の面積が合計で100平方キロメートル以上ある国は「大規模な地雷汚染国」とされ、カンボジアやアフガニスタン、イラク、ウクライナなど8カ国が該当する。中でも、ロシアに侵略されているウクライナは今や、世界最大の地雷汚染国だ。ウクライナでロシア軍が地雷を敷設した地域の総面積は米フロリダ州(日本の国土面積の約45%)ほどであると見積もられている。

特に、ロシア軍がウクライナの農地に敷設した地雷の除去が急務の課題だ。ウクライナ政府は今月2日、農家が地雷の除去に必要な費用を全額負担すると決めた。とはいえ、地雷が敷設された農地の総面積は推定で約173平方キロメートルとあまりにも広大であり、国際的な支援が不可欠である。

ウクライナに敷設された地雷の多くは「遠隔散布地雷」だ。軍用機から投下したり、ロケット弾などに詰め込み、発射したりして空中からばらまく地雷である。風を受けて飛距離を伸ばせるように、チョウに似た形をしていることから「バタフライ地雷」などとも呼ばれる。子どもがおもちゃと見間違い、拾おうとして被害に遭うこともある。ロシア軍は1度に5000個もの遠隔散布地雷をばらまくことができる。

ウクライナの農地に散在する大量の遠隔散布地雷を探知し、除去するのに有効なのが、人工知能(AI)とドローンを活用した技術だ。上空からドローンのカメラで捉えた物体が地雷であるかどうか、ロシア軍が使用する地雷の種類を学習したAIに判定させることで、地雷がばらまかれた場所を素早く、安全に特定できる。国連開発計画(UNDP)などが7月から、ウクライナの農地でこの技術の実証実験を行っている。

AIとドローンを用いた地雷探知技術については、日本の電機大手NECと早稲田大学が赤十字国際委員会(ICRC)と協力して開発を進めており、その精度の高さが各国から注目されている。こうした日本の最先端技術もウクライナの地雷除去に役立てたい。

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