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2024年9月8日

潮流2024 今後の自公連立政権

外交、経済など継続課題多く
麗澤大学教授 川上和久

岸田文雄総理・自民党総裁が、「政治とカネ」問題の責任を取り、9月の総裁選に出馬しないことを8月14日に表明したが、大きな政治不信を招いた以上、妥当な判断だったと思う。岸田総理の退陣表明により、例えば、読売新聞の7月の世論調査では、次の衆院選後に「自民党中心の政権の継続」を望むが44%だったのが、8月の調査では51%に回復している。

「政治とカネ」の問題は、「終わりなき課題」だ。政治不信を払拭するためにも、新総理・総裁が政治改革に積極的に取り組んでいかなければ、民意はまた離反するだろう。公明党には、引き続き政治とカネの問題への取り組みを自民党に促してもらいたい。

一方で、岸田内閣の支持率は、最後は低空飛行を続けたものの、岸田内閣のもとでの取り組みを継続し、発展させる必要性も忘れてはなるまい。自公連立政権で取り組むべき継続的課題は山積しているが、ここでは三つあげたい。

第一は、外交・安全保障分野だ。岸田総理の在任中にロシアのウクライナ侵攻が起きたが、広島サミットで西側諸国がしっかりとロシアと対峙し、ウクライナのゼレンスキー大統領を招聘したのは、一つの外交成果だし、日韓関係の改善に努め、中国の強引な海洋進出に防衛費の大幅増で対応したことも評価できる。日米同盟を基軸としながら、緊迫する東アジア情勢に対応して防衛・安全保障政策をさらに充実させることは、国民の安全・安心に通じる。

第二は、経済対策だ。ロシアのウクライナ侵攻を一つの契機として起きたエネルギーや食糧価格の高騰、物価高に対して政権与党は補助金などで特に社会的弱者に対する目配りを行ってきた。岸田内閣は企業に賃上げを促し、ある程度実現したものの、物価高に賃上げが追い付かないとの声もあり、国民の不安・不満は解消されたとは言い難い。

積極財政派と財政再建派の議論が総裁選でもなされるかと予想されるが、その中で、公明党は社会的弱者への目配りを怠っていないかチェックし、経済活動を活性化させつつ国民生活の安定を図るという路線がしっかりと継続されることが求められる。

第三は、全世代型社会保障を充実させ、少子化に歯止めをかける努力だ。こども家庭庁の発足は岸田内閣の一つの大きな成果だが、子育て世代に寄り添いながら安心して子育てできる環境を整備し、社会全体で子育てを見守り支援する体制を充実させていくことが政治の変わらぬ課題だ。

新総理のもとでの解散総選挙も取り沙汰されている。自公連立政権が、国民の安全・安心をあくまで守り抜く決意を示し、公明党にはその中で、「小さな声を聴く力」を存分に発揮してほしい。「やはり自公連立政権でなければ日本を任せられない」という情報発信を、政治とカネの問題への取り組みや上記三つの課題への継続的取り組みも含め、積極的に行ってもらいたい。

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