ニュース
結党60年 公明党を語る
現場に根差し生活守る党
平和構築への中核を担う
夜回り先生 水谷修氏
公明党は11月17日に結党60年の節目を刻む。公明党が日本政治で果たしてきた役割は何か。識者に語ってもらった(この企画は随時掲載します)。
公明党結党前は、「資本家のための自民党」と「労働者のための社会党」によって国が二分化されていたといわれるが、実は“三分化”されていた。「労働者のため」といっても、組合をつくることができたのは大企業。中小・零細企業の労働者はほとんど含まれず、特に男女差別がひどかった時代で「女性は子どもの面倒を見ていればいい」といった考えもあり、政治から忘れ去られた人たちが存在していた。
こうした声なき声を聴き、生活を守る政党が求められる中で、立ち上がったのが公明党だ。「大衆とともに」との指針の下、一人に寄り添う人間主義を掲げ“国の明日”を国民と一緒につくってきた。ここに公明党のすごさがある。
他党の中には、上から目線で「この国を強い国にする」と威勢のいいことを言う政治家がいるが、どんなに豊かになろうと、忘れ去られた人が一人でもいれば、幸せな国とは呼べないだろう。
公明党は違う。机上の空論で国のあり方を語るのではなく、「チーム3000」の議員が日々、靴底をすり減らし、本当に苦しんでいる人の元に行き、皆がどうしたら幸せになれるかを共に考え、地道に一つずつ解決している。国と地方の議員のネットワークで政治を変えている。私は、現場に根差す姿勢を尊敬する。
公明の役割は“昼の世界の夜回り先生”
かつての私は公明党について、大きなビジョンが見えない、福祉政策など小さなことばかり言う政党として敬遠していた。しかし、“夜の世界”から非行に走る子どもたちを救うことに限界を感じていた時に公明党と出合い、共に闘う中で、人間主義の行動力を目の当たりにした。子どもたちが私に心を開いてくれるのも、直接子どもたちのところに行くことに徹したからだと思うが、それを公明党は“昼の世界”でやっている。公明党は“昼の世界の夜回り先生”だ。本当に多くの人を救ってきた。先日も児童相談所内で不適切な処遇を受ける子どもの対応で、地方議員がすぐに動いてくれた。
平和外交でも、党の創立者が築いた人間外交の流れの中で、公明党が橋渡し役となり、日中国交正常化ができた。平和安全法制も「例外なき国会の事前承認」を盛り込むなど、健全なブレーキ役を果たした。公明党の平和主義の焦点が一人一人の人間の尊重にあるからこそ、現実的な方法で平和への方向に導けるのだ。
今、世界では憎しみをあおる風潮や軍拡の流れがある。日本でも、野党幹部が核兵器の持ち込みを主張し、隣国に対抗する考えを示した。これでは世界は平和にならない。政治家であるならば、戦争を起こさない平和への努力をするべきだ。その中核を担うのが公明党だと信じている。揺るがない人間主義と平和主義を堅持する公明党には、平和外交分野でさらに力を付け、活躍してもらいたい。