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「就職氷河期」世代 活躍の場を拡大
政府が初のプログラム
3年で30万人の正規雇用
当事者に寄り添う支援が柱
主な対策
・官民協働スキームとして、関係者で構成するプラットフォームを形成
・企業の受け入れ機会の増加につながる環境整備
・受講しやすく即効性のある職業能力開発の充実
・ハローワークに専門の窓口を設置し、きめ細かく伴走型で支援
・地域若者サポートステーションや生活困窮者相談支援機関のアウトリーチ機能強化と連携強化
バブル経済が崩壊し、厳しい雇用環境のもと、1993年ごろから04年ごろに就職のタイミングを迎えた「就職氷河期世代」――。無業や不安定な就労環境を抜け出せずに現在、30代半ばから40代半ばに達している人が少なからずいる。政府は公明党の主張を踏まえ、この課題に対応するための「支援プログラム」を初めて策定した。今後3年間を集中支援期間とし、活躍の場の拡大に向けて注力するとともに、息の長い継続的な支援も行っていく。
プログラムは、6月21日に閣議決定された政府の「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太の方針)に明記。近く施策を進める“司令塔”となる組織が内閣官房に設けられ、取り組みを本格化させる。
政府は同世代で、正規雇用を希望しながら不本意に非正規で働く人が約50万人に上り、ひきこもりの人や長期無業者も含めると100万人程度に達すると見込む。こうした人を対象に集中的な支援を行うことで、働くことや社会参加を促していく。正規雇用者については、この3年間で30万人増やすことをめざす。
支援は、本人・家族の相談を親身に受け止めるところから、教育訓練、就職に至るまで、切れ目なくサポートすることが柱。
具体的には、社会全体で支援の取り組みを進めるための官民協働スキームを作り、企業の受け入れ機会増加につながる環境整備を行う。同時に、ハローワークに専門窓口を設置。キャリアコンサルティングや生活相談、職業訓練などの専門担当者が、チーム制で本人・家族に寄り添い、伴走型のきめ細かな支援をめざす。受講しやすく即効性の高い職業能力開発プログラムも整備する。
訪問などを通じて潜在的な支援対象者に丁寧に働き掛け、支援につなげていくアウトリーチ機能を持つ「地域若者サポートステーション」や生活困窮者相談支援機関の機能強化や連携強化も進める。
公明の提言 色濃く反映
党支援検討委員長 中野洋昌衆院議員
私自身も就職氷河期世代の一人であり、多くの優秀な人材が埋もれてしまっている深刻な現実を目の当たりにしてきました。党青年委員会としても、「地域若者サポートステーション」の拡大や若者雇用促進法の制定などを実現してきましたが、さらなる取り組み強化へ5月22日に官民連携による集中的な支援などを求める提言を政府に提出しました。この中では、当事者に寄り添う支援なども訴えました。
提言は、政府のプログラムに色濃く反映されました。これに沿って、各地域で施策が効果的に実施されるよう、全国の地方議員とも連携しながら全力で取り組んでいく決意です。