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コラム「北斗七星」
「認知症になったら、どう暮らしたいか」。内閣府が5年前、世論調査で聞いた。半数が「介護施設で」と答えた。「周りに迷惑をかける」「身の回りのことができなくなる」が理由だ。多くの人が恐れを抱く◆これに対し「認知症は“長寿の勲章”」と述べるのが山口晴保・群馬大学名誉教授だ。前向きに受け止める「認知症ポジティブ」を提唱している◆医師として認知症を告知するとき、本人に「堂々と物忘れできます」、家族に「責めないで」と伝える。本人の力を生かすケアを行い、ケアする側には「頑張っている私はえらい!」とポジティブなことを口に出すよう勧める(『健達ねっとで1億回読まれている認知症がわかるコラム』)◆公明党は2015年、認知症基本法の制定をいち早く国会で提案し、18年に法案骨子案を示すなど成立をリードした。基本法は今年1月に施行された。今後、認知症の人が希望を持って暮らすための施策を国・自治体が行う◆山口氏は「周囲の人に『私は認知症になっちゃったから支えてね。お願い』と、気軽に言える時代になってほしい」と述べる。「認知症は怖くない」と言える社会にしたい。今月は同法が定めた認知症月間だ。(直)