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コラム「北斗七星」
大学時代の恩師(現名誉教授)から、この春に編まれた自著の句集を頂いた。その先生は若き日に、福島と新潟の県境にある日本最大級の奥只見ダム(1960年完成)の建設現場で技術者として活躍された◆先週、久しぶりに先生の元気な声を聞き喜んでいたところ、映画『ホワイトアウト』(2000年公開、主演・織田裕二)がテレビで再放送され見入ってしまった。原作の同名小説(真保裕一著)の舞台は奥只見ダムがモデルだ◆映画のロケ地は黒部ダム(通称・黒四=1963年完成、富山県)。そこからの迫力ある放流シーンが、句集にある<黒四の虹美しきダム放流>と重なり、吹雪の映像を見て、<ダム湖被ひ雪なほ止まぬ奥只見>と詠まれた句をなぞってみた◆先生からの便りには、去年の夏に撮られた奥只見ダムの写真に、「何時見ても美しく立派です」と添えられていた。ダムの偉容には、国民の生活を支える力強さも感じる◆日本で初めて事業用の水力発電所が稼働して130年超。かつて主力電源だった水力の発電割合は火力の10分の1ほどで、7.6%(2022年度実績=資源エネルギー庁)。再生可能エネルギーとして開発が期待される「水力」に今再び注目したい。(三)