ニュース
子育てSOSサービス 電話1本 ヘルパー急行
悩む親を一人にしない
1時間250円 家事応援や育児相談
群馬・高崎市
妊婦や子育て世帯の負担を減らそうと、群馬県高崎市は4月から、電話1本でヘルパーが駆け付ける「子育てSOSサービス」を実施している。事前の手続きが必要なく手軽に利用できることから、市の予想よりも申し込みが多く、利用者からも喜びの声が寄せられている。
子育てSOSサービスの対象は、高崎市内に住む妊婦や未就学児の保護者。子育てや家事の経験が豊富なヘルパーが、食事の支度、部屋の掃除などに加え、赤ちゃんの沐浴やおむつ交換をサポートする。また、保護者の育児相談などにも応じる。
運営は、市社会福祉協議会が担い、事務局を市総合福祉センターに設置。希望者が専用ダイヤルに電話すると、保健師が応対し、状況を聞いた上で、社協に登録したヘルパーが原則1時間以内に駆け付ける。
費用は1時間250円。利用時間は午前8時~午後8時の間で、この時間内であれば連続してサービスが受けることができ、予約も可能。初めての利用時には、家庭状況の把握のため、2人1組で訪問することとしている。
事前登録が不要、利用回数の制限なし
事前登録は不要。利用回数の制限もなく、家族が同居している場合も利用でき、市内に里帰り中の保護者も対象となる。
サービス開始後、市の想定を上回る反響があり、6月の利用数は延べ200件に上った。利用者の中には、転勤などで高崎市に引っ越してきたり、核家族のため、身近に相談できる人がいないケースも多い。市によると、「掃除、調理をしてもらう間、自らの悩みを聞いてもらうことができて、気が楽になった」「『お母さん頑張っているね』と声を掛けてもらい、初めてそのように言われて涙があふれた」などの声が相次いで寄せられている。
担当者から子育てSOSサービスの利用状況の説明を受ける高崎市議会公明党の議員(奥側5人)
市の担当者は「孤立しがちな親をサポートすることで、児童虐待を防ぐことにもつながる」と話している。
子育てSOSサービスは、市議会公明党(逆瀬川義久会長)の提案で実現した「産後ママヘルプサービス」が前身。産前産後で悩む保護者への支援充実を訴える中、今回、電話1本でヘルパーが駆け付ける子育てSOSサービスへ拡充された。
逆瀬川会長は「今後も、子育てSOSサービスの拡充をはじめ、産前産後の支援の充実に取り組む」と述べた。