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2024年8月4日

機能性表示食品の安全対策

答える人=党消費者問題対策本部長(副代表、衆院議員) 古屋範子さん

「機能性表示食品」として販売されていた「紅麴」配合サプリメント(小林製薬)を摂取した人が腎臓の病気などの健康被害を訴え、死亡者も出ています。この問題を受けて、機能性表示食品制度が9月から段階的に見直される方針です。見直しのポイントについて、党消費者問題対策本部長の古屋範子副代表(衆院議員)に聞きました。

■Q 制度見直しの背景は
■A 因果関係の“調査”理由に報告や周知遅れ被害拡大

アスカ 機能性表示食品とは。

古屋 事業者が国に効果や安全性の根拠となる情報を届け出ることで、商品パッケージに「脂肪の吸収をおだやかにします」などの表示ができるものです。「特定保健用食品(トクホ)」などとともに、機能性の表示が可能な保健機能食品に分類されます。

機能性表示食品制度は2015年4月から始まり、約7000件の製品が届け出されています。トクホのように国の審査はなく、学術論文など科学的根拠を国に届け出れば、事業者の責任で効果を表示できます。

アスカ 制度見直しの背景は?

古屋 小林製薬は医師から健康被害を知らされていながら、因果関係の調査などを理由に、消費者庁や自治体への報告に約2カ月の期間を要しました。この結果、消費者への周知や製品の回収が遅れて健康被害が拡大してしまいました。

政府の指針では、健康被害が発生した時の対応は定められていましたが、法的な義務付けはありませんでした。今回の見直しは、再発を防ぐため、国の関与を強化するものです。

■Q 具体的な内容は
■A 事業者に情報提供義務化/サプリの製造管理強化も

アスカ 具体的には。

古屋 大きく二つあります。一つは、健康被害に関する情報提供の義務化です。医師の診断で健康被害が疑われる情報を事業者が把握した場合は、因果関係が不明であっても、速やかに消費者庁や自治体に報告することが順守事項になります。違反した事業者には、営業の禁止・停止の行政措置が行われます。

もう一つは、製造・品質管理の強化です。今回の健康被害では、原料から青カビ由来の「プベルル酸」が検出されるなど、製造過程において異物が混入したと推定されています。

今回の見直しでは、サプリメント形状のものについて、製造・品質管理が適正であることを認定する「GMP(適正製造規範)」に基づく製造・管理が義務化されます。さらに、必要な体制が整備されているか、消費者庁による立ち入り検査も可能になります。

アスカ その他は。

古屋 新しい成分の届け出に際して、健康を損なう恐れがないとの確証が得られない場合は、専門家の意見を聞く仕組みを導入します。また、トクホと異なって国の審査を受けていないことや、過剰摂取を防止するための注意喚起を具体的に記載するなど、パッケージの表示方法も見直します。

■Q 公明はどう取り組んだ?
■A 他党に先駆けて緊急提言/政府の方針に大きく反映

アスカ 公明党の取り組みは。

古屋 政府提言や国会質疑などを通じて、機能性表示食品制度の見直しなどを訴えてきました。4月9日には、他党に先駆けて、党厚生労働部会(部会長=伊佐進一衆院議員)と共に、自見英子消費者・食品安全担当相に、同制度の見直しに関する緊急提言を実施しました。

これを受けて、消費者庁は、機能性表示食品を巡る検討会を設置し、計6回の審議、計19件のヒアリングを行い、報告書を取りまとめました。同報告書を基に、政府が5月末にまとめた制度見直しへの対応方針では、健康被害に関する情報収集体制の見直しや、GMPの順守といった安全対策など、公明党の主張が大きく反映されています。

アスカ 今後の決意を。

古屋 消費者の不安払拭とともに、誰もが安心して利用できる制度設計に向けて、不断の努力を続けていく決意です。

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