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2024年8月3日

コラム「北斗七星」

「ほかの所は何を見ても東京の足元にも及ばないが、温泉だけは立派なものだ」。夏目漱石が小説「坊っちゃん」に記した愛媛県松山市の「道後温泉本館」が、耐震化などの修理を終えて約5年半ぶりに全館営業を再開した◆日本最古の湯とされる道後温泉は、白鷺が発見したと伝わる。市のホームページには「苦しんでいた一羽の白鷺が岩間から出る温泉を見つけ、足を浸したところ、傷が完全に治り…」と◆130年前に建てられた木造三層楼の威風堂々たる建物は国の重要文化財。そのシンボルとして白鷺のオブジェが翼を広げる屋上の振鷺閣から1日3回響き渡る刻太鼓は、「残したい日本の音風景百選」に選定されている◆一方、別名「白鷺城」と呼ばれる世界遺産の姫路城では、外国人観光客の入場料値上げが波紋を呼んでいる。城の保存継承やオーバーツーリズム(観光公害)対策などに充てたい考えだが、賛否は分かれているようだ◆松山市など温泉地の自治体が連携して開いたシンポジウムでは、入浴方法が違う外国人向けの施設整備などを求める意見も。政府は2030年に6千万人の訪日観光客をめざしているが、種々の対応に向けて幅広い議論を加速させたい。(祐)

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