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コラム「北斗七星」
本紙7面に掲載された連載「車いすの看護師」を読んで、正看護師をめざす車いすユーザーの挑戦にエールを送りたくなった。同時に、社会課題の大きさを改めて認識した◆特に気になるのは、健常者の無知や偏見、無関心によるバリア(障壁)だ。連載によると、看護専門学校の面接試験で、車いす利用を理由に“落とそう”としているような質問があった。どうすれば意識の上でもバリアのない共生社会を築けるだろう◆ヒントになりそうな民間の体験学習プログラムがある。車いす利用が多数派で、“二足歩行”が少数派という架空の社会を演出する「バリアフルレストラン」。低い天井など車いす利用が前提の店内環境で、障がい者と健常者の立場が逆転する◆秀逸なのは、来店した“二足歩行”の客を敬遠する様子など、少数派に対する多数派の無知や偏見も再現する点だ◆参加者は、車いすユーザーが普段どのような意識を向けられているのかを痛感する。多数派に合わせた社会の姿を当然とする自らの固定観念に気付く。共生社会の実現には、世間の「当たり前」を問い直す取り組みが欠かせない◆社会のバリアを取り除くのは政治の責務である。公明党は挑み続ける。(杢)