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力強い賃上げ継続を
最低賃金、過去最大50円増
中小の価格転嫁、円滑に
生産性向上への支援強く
中央幹事会で山口代表
中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は24日、2024年度の最低賃金引き上げ額の「目安」を50円とすることで合意した。最低賃金の全国平均は、現在の時給1004円から1054円に5.0%引き上げられる。引き上げ幅、引き上げ率ともに過去最大となった。これを受け、公明党の山口那津男代表は25日午前、東京都新宿区の党本部で開かれた中央幹事会であいさつし、最低賃金の引き上げについて「昨年の水準を上回る目安が決められたことを賃金と物価の好循環に生かしていく」と強調した。
今回決まった最低賃金の目安額については、新たに北海道や静岡県など8道県で1000円台に達し、大台超えは16都道府県に増える。目安額は経済情勢に応じ、各都道府県をA~Cの3ランクに分けて提示されるが、今回は3ランクすべてで同じ50円だった。
中央幹事会で山口代表は、30年代半ばまでに最低賃金を1500円とする政府目標に触れ、「それを展望すると、毎年5%前後の水準で引き上げていくことが不可欠だ」と力説した。
一方で、実際の適用に当たっては、「特に中小企業が賃上げに対応していけるかどうかへの配慮が必要だ」と指摘。価格転嫁の交渉が円滑に行われるようにするとともに、中小企業自身が賃上げの原資を確保する観点から、生産性を向上させる支援策の一層の強化が重要だとの見解を示した。
その上で、こうした取り組みを総合的に推進することで「最低賃金が目安に沿ってしっかり引き上げられ、賃金と物価の好循環の流れが想定通りに進んでいく。そして実質賃金がプラスになるように進めていくことが重要だ」と訴えた。
今後、都道府県ごとの最低賃金の決定に当たっては、公明党が推進してきた地方版「政労使会議」の場を活用して全国的に賃上げの流れを促進することが重要だと力説。「公明党のネットワークを生かす実践の場となるので、夏季議員研修会などで、地方議員と意識を共有しながら推進していきたい」と述べた。