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【主張】自衛隊の不祥事 組織挙げて信頼回復に取り組め
自衛隊がスタートして70年となるこの7月、防衛省は12日、自衛官と事務方のトップに対し、不祥事に対する指揮監督責任を問う一斉処分を行った。過去最大級の規模だ。
2022年末に国家安全保障戦略など3文書を改定し、政府が防衛力強化の必要性を国民に理解してもらうために真剣に努力をしている時である。
防衛省・自衛隊を挙げて原因究明と再発防止に努めなければならない。
今回、処分の対象となった不祥事は、海上自衛隊と航空自衛隊で判明した特定秘密の「漏えい」と、海自による潜水手当の不正受給に代金未払いの不正喫食、さらに防衛省内局の幹部職員によるパワハラである。
この処分とは別に、海自が結ぶ潜水艦修理契約に関し、企業と隊員の癒着や架空取り引きに伴う過払いの疑いがあるため、木原稔防衛相は5日、特別防衛監査を実施するよう指示し調査が進行中である。
公明党の佐藤茂樹外交安全保障調査会長(衆院議員)は12日、特別防衛監査を念頭に「今回の処分で幕引きというわけにはいかない。自衛隊の再出発を緊張感をもって期してほしい」と求めた。また石井啓一幹事長は同日、定例記者会見で「抑止力や対処力の強化を進めてきたが、これらの基になるのは誠実な職務遂行に対する国民の信頼に他ならない」と強調。「実態解明と再発防止に向けて万全の体制構築に取り組んでもらいたい」と訴えた。
21世紀に入ってからも、防衛省・自衛隊ではイージス艦の情報流出や、防衛調達に関する背任事件、南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に関する日報の隠ぺいなど、組織の規律が疑われるような不祥事が絶えない。今回も、特定秘密「漏えい」の再発防止策に関して「海自全体の問題」「幹部クラスの保全意識の欠如」など規律の不全を示す言葉が並んでいる。
これまでも組織改革が唱えられたが、それが実現していないことが明らかにされた。今度こそ組織規律の確立を求めたい。









