ニュース
公明議員に「相談して良かった」
市内に障がい者歯科診療所
送迎時間短縮 親の小さな声を聴き実現
愛知・西尾市
障がい者歯科診療所の開所を喜び合う(右から)佐伯智恵美さん、敏三さんと大河内、大塚久美子の両市議
障がいのある人は一般の歯科医院を利用するのが難しい。じっとしていられなかったり、診療を極度に怖がったりするなど、さまざまな理由で安全な診療が困難だからだ。こうした人が安心して診療を受けられるよう、愛知県西尾市は先ごろ、障がい者歯科診療所を開所した。公明党の大河内博之市議が、障がい児の母親の願いを実現した。
一般社団法人・日本障害者歯科学会のウェブサイトによると、障がい者歯科診療では、鎮静剤を使いながら、手足を固定せずに安全な診療を可能にしている。知的障がいがある人には、診療の前に器具やスタッフに慣れてもらう場合もある。
その認定医のいる施設が全国的に数少ない中、西尾市の診療所は、市休日診療所の建物に増築された。診療所内にはトレーニング室がある。治療開始日より前に数回来てもらい、いすに座ることや、口を開けることを練習してもらうためだ。運営は市歯科医師会に委託し、障がい者の歯科診療について専門的な知識を持つ医師5人が治療を行う。診療時間は毎週木曜日の13時30分~16時30分。
西尾市に住む公明党支持者の佐伯敏三さん・智恵美さん夫妻の次男・圭介君は特別支援学校高等部の1年生。自閉症で、幼い頃から歯の治療のため、隣の岡崎市にある障がい者歯科に片道約1時間30分かけて通ってきた。智恵美さんは「一般の診療所に連れて行ったことがあるが、通い慣れていない場所への恐怖で車から出ることができなかった」と振り返る。
智恵美さんは、特別支援学校に通う他の子どもの母親からも「特別な治療が受けられる歯科診療所が西尾市にあるといいな」と聞き、大河内市議に要望を伝えていた。
障がいのある人向けの歯科診療所について公明党は、2011年9月の定例会で広中利臣市議(当時)が設置を提案。市は前向きに検討する意向を示していた。大河内市議は16年3月の定例会で、障がい者歯科診療所の必要性を強調し、早期設置を求めていた。
圭介君は先日、初めて障がい者診療所を訪れ、問診を受けた。7月から治療が始まる。智恵美さんは「片道15分で通える。大河内さんに相談して良かった」と話していた。