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2024年7月10日

コラム「北斗七星」

江戸時代の俳人・松尾芭蕉が『おくのほそ道』で旅した最北の地は、秋田・象潟の九十九島である。元禄2年6月16日(1689年8月1日)に芭蕉一行は雨に打たれながら、かの地に着き翌朝、舟で巡った◆<松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし>。前月に訪れた松島と比べてつづっている。そして、憂いに沈む美人の風情と重ねて句を詠んだ。<象潟や雨に西施がねぶの花>◆芭蕉が見た島々が浮かぶ海の絶景は想像するほかない。220年前のきょう、象潟地震で地盤が2メートル隆起し、松の小山が点在する陸地となる◆能登半島地震では海岸が最大4メートル隆起した。地殻変動で生じた階段型の地形を「海成段丘」と呼ぶ。これ以前、能登半島は海成段丘が3段確認され、数千年間で3回隆起したことを示している。古地震学が専門の産業技術総合研究所・宍倉正展氏が調査し4年前、論文で発表していた◆海成段丘は南海トラフに面する御前崎、潮岬、室戸岬、足摺岬で発達し、三陸海岸や房総半島など列島各地にあるという。宍倉氏は巨大地震で隆起する可能性を指摘する。防災対策には海岸隆起への想定も必要だろう。地震で生まれた大地の上に暮らしていることを忘れまい。(川)

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