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【主張】防災基本計画 能登地震教訓に福祉的支援を強化
自然災害が激甚化・頻発化する中、国や自治体による災害対応を不断に検証し、必要な見直しを行うことが欠かせない。
政府の中央防災会議は6月28日、災害対応の基礎となる防災基本計画を修正した。
最大の柱は、能登半島地震で高齢者ら要配慮者が数多く被災したことを踏まえ、災害応急対策に「福祉的な支援」の必要性を明記したことだ。
具体的には市町村に対し、避難所の開設当初から間仕切りと段ボールベッドを設置することや、栄養バランスのとれた適温の食事、入浴・洗濯など生活に必要な水の確保に努めるよう要請。備蓄品の調達では女性、子どもらへの配慮を求めた。
また、仮設トイレの早期設営に加え、能登半島地震で有効だった「トイレトレーラー」などの配置に努力することも明記した。
都道府県と市町村の取り組みとしては、在宅避難者の支援拠点や車中泊避難者向けスペースの設置、保健師や福祉関係者、NPO法人などと連携して平時から住民の健康状態を把握することを新たに加えた。
さらに、災害派遣精神医療チームや災害支援ナースの充実強化、日本災害リハビリテーション支援協会や日本栄養士会災害支援チームとの連携などを国や都道府県に求めた。
いずれも避難者の健康を支える上で必要だ。国や自治体はしっかり対応してほしい。
能登半島地震では各地で道路が寸断され、救助活動や被災者支援に支障が出た。このため計画では、車両や資機材の小型化・軽量化、ドローンの活用などを盛り込んだ。
このほか、自治体の応援職員などが宿泊する場所の確保が困難だったことから、ホテルや旅館だけでなく仮設の宿泊拠点を設置できる空き地のリスト化が追加されたことも重要だ。
今回の計画修正には、公明党の主張が数多く反映された。今後も国や自治体の取り組みを力強く後押ししていく。