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コラム「北斗七星」
年金問題を巡って野党は、国民の不安を煽って与党批判につなげようと躍起になっている。だが、発端となった金融庁の報告書は、6月3日の発表以来、同庁のホームページで公開されており、誰でも見ることができる。政府が隠蔽したという批判は当たらない◆加えて、報告書の中で示された高齢世帯のモデルケースは、年金が間違いなく支給されることが前提となっているため、この報告書を年金制度が破綻するという論拠とすることはできない。破綻しているのは、政権のイメージダウンをもくろむ野党の戦略であろう◆もとより現行の年金制度の持続性は揺るがない。逆に、持続性が大きく疑われる政党が野党の中にある。2013年の参院選で野党第1党だった民主党は、16年の参院選を前に他党が合流して党名を民進党に変えた◆その民進党が17年秋に事実上崩壊。立憲民主党と国民民主党に分裂して今回の参院選に臨んでいる。両党は、果たして次の参院選まで残っているだろうか。先行きが案じられるような政党に日本の未来を語られても説得力はあるまい◆いかなる選挙でも、投票先は十分に吟味する必要がある。とりわけ参院議員の任期は6年あり、衆院のような解散はない。「うっかり1票。がっかり6年」とならないよう注意を呼び掛けたい。(幸)