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2024年6月24日

コラム「北斗七星」

宮崎駿監督のアニメ映画『風の谷のナウシカ』を劇場で見たのは40年前。虫と心を通わせる少女が地球を破滅から救おうとする物語だ。監督自身が手掛けた同名漫画が原作となっている◆ナウシカのモチーフとなったのはギリシャ神話に登場する王女と、平安時代後期以降に成立した短編物語集『堤中納言物語』の『虫めづる姫君』(作者不明)。興味を引かれたのは後者の人物像だ◆『虫めづる姫君 堤中納言物語』(蜂飼耳訳、光文社)によれば、この姫君は虫が大好きで、中でも毛虫がお気に入り。手のひらに這わせて観察したりする。世間体が悪いと親がたしなめると、世間体を気にするより何事も本質を見極めて判断することの方が大事だと彼女は言い返す◆それだけではない。お歯黒や眉毛を抜いて墨で描く当時の風習にも従わない。「人間っていうものは、取りつくろうところがあるのは、よくないよ。自然のままなのがいいんだよ」と◆わが道を真っすぐに歩む彼女の生き方には共感を覚える。だが決して楽な道ではない。周囲から孤立しかねない危うさもつきまとう。「君たちはどう生きるか」。はるかな時を超えて、この作者からそう問われているような気がした。(佳)

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