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2018年5月28日

コラム「北斗七星」

本紙に連載されてきた西條奈加さんの小説『隠居すごろく』が今月末で終了する。江戸・巣鴨で30年以上にわたって糸問屋を仕切ってきた主人公・徳兵衛が、店を息子に譲り、隠居生活を始める。しかし、そこに待っていたのは、夢に見た安穏な老後ではなく、孫が持ち込む騒動に翻弄される日々だった◆初めこそ「こんなはずではなかった」と嘆息する徳兵衛だが、いつしか多くの人々と縁が広がり、苦楽を共にしながら、多忙で厄介な役回りにのめり込んでいく◆終盤では、悪役人との攻防、町を焼き尽くす火事、さらに跡取り息子が騙りに遭って大金を失うなど、緊迫した場面が続くが、長年の才覚を発揮して難事を切り抜ける。描かれているのは、ただ余生を過ごす老人ではなく、新しい人生を生き生きと歩む人間の姿だった◆「人生100年時代」が言われる今、第二の人生をどう輝かせられるかは、大きな課題。徳兵衛は現代のわれわれに、その手本を示している。人生の途中にゴールはない。どんなに年齢を重ねても、元気で前向きに生きる意欲を持ち続けることが大切なのだろう。高齢者が十分に活躍できるよう社会的な支援の拡充も欠かせない◆『隠居すごろく』は、きょうを含めて残り4話。名残惜しさとともに、どんな大団円を迎えるのか楽しみである。(千)

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