公明党トップ / ニュース / p354058

ニュース

2024年6月19日

加齢性難聴 早く見つけて支援

加齢に伴って聴覚機能が衰え、音を聞き取りにくくなる耳のフレイル(虚弱)は、放置しておくと健康や生活に影響を与えるとの指摘もある。「加齢性難聴」を早期に発見するため、高齢者の聞こえの状態を無料で確認する取り組みを実施している東京都豊島区を取材するとともに、東海大学医学部の和佐野浩一郎准教授に話を聞いた。

東京・豊島区 耳の虚弱を無料で確認
3割が聞こえに課題、受診勧める

「聞き間違えた音は何かしら……」。14日、豊島区の高田介護予防センターで実施された「ヒアリングフレイル(耳の虚弱)チェック」に参加した70代後半の女性は「お」と「ほ」を誤認していたことが分かった。全20問中19問に正解し、「生活の中で不自由は感じていなかったけれど、今の自分の状態が分かり良かった」と話していた。

同区は2021年7月から、65歳以上を対象に同チェックを開始。現在は区内24カ所で予約制で実施している。民間企業が開発したアプリを使い、職員がタブレット端末を操作すると「よ」や「ぶ」などの音が流れる。参加者はそれを聞き、聞こえた音を紙に書き込む。

区の担当者は「23年度にチェックを受けた313人のうち、聞き取れた音が60%未満だった人は3割に上る」と説明。「60%未満」の人は、日常生活でも聞き返しが増え、大きな声での会話が必要な状態とされるため、区医師会に所属する耳鼻咽喉科の医療機関を案内しているという。

一方、同区は補聴器購入費の助成も実施している。区議会公明党の推進もあり、23年度からは住民税非課税世帯に対する助成額を拡充するとともに、課税世帯への助成も開始した。

医師への相談は4割にも満たず

日本補聴器工業会などが、1万4061人を対象に22年に実施したアンケート調査の結果では、自分が「難聴」「難聴だと思っている」とした人の割合は10%だった。年代別に見ると▽75歳以上が34.4%▽65~74歳が14.9%▽55~64歳が8.9%――などとなった。

このうち、かかりつけ医や耳鼻科医に相談した人は38%、補聴器を所有している人の割合は約15%だった。日本の補聴器所有率は、同様の調査が行われた16カ国中15位と低かった。

公明、高齢者向け検査訴え
各地で補聴器の購入費助成を実現

各国の補聴器所有率

公明党は、加齢性難聴に悩む人が相談医や専門家による助言の下で自分に合った補聴器を使用できる体制の整備や、体制整備に必要な財政支援を政府に求めてきた。また、補聴器の購入費助成については、党地方議員の推進で、独自に取り組む自治体も増えてきた。

さらに、公明党の山本香苗参院議員は4月18日の参院厚生労働委員会で、聴力検査について、新生児期、学齢期、成人期では検査体制が整っているものの「高齢期はすっぽりと抜け落ちている」と指摘。難聴で医療機関を受診する人が少ないとする調査や、難聴の放置が生活の質の低下につながるとする研究などに触れ、高齢者の聴力検査事業の創設を訴えた。

また、5月30日に政府へ提出した「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に向けた党提言では「高齢者が、難聴に早期に気付き、適切な支援につながる仕組みの制度化」などを要望している。

充実の老後へ聴力は重要

東海大学医学部 和佐野浩一郎 准教授

75歳以上の後期高齢者健康診査にすら聴力検査の項目がない中、豊島区などのように加齢性難聴の早期発見につなげる取り組みは、充実した老後を送るためには重要だ。公明党には、早期発見と適切な支援に向けた取り組みを国と地方で推進して広げてもらいたい。

改善で認知症など予防に期待

難聴をそのままにしておくと、人とのコミュニケーションが減り、うつなどのメンタル疾患や社会的孤立の状態、そして認知症になる可能性がある。難聴は、認知症のリスクとして最も高い要因の一つとされるが、補聴器などで改善できるため、最も予防が期待できる要因ともされる。

単純に考えても、音が聞こえ、人と会話できる人生は楽しい。それが、健康や生活の張り合いにもつながる。複雑な調整が必要な補聴器を使えるようになるには一定の時間がかかるが、楽しい人生を送るための“耳のリハビリ”だと前向きに捉えてもらいたい。

補聴器が難しい場合は人工内耳という選択肢もある。聞こえに不安があれば、身近な耳鼻咽喉科で相談してほしい。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア