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2024年6月15日

【主張】選択的夫婦別姓 多様性尊重する社会へ導入急げ

婚姻時に夫婦いずれかの姓を選択しなければならない現行の制度によって、社会的な不利益を受ける人がいる現状は見過ごせない。夫婦が希望すれば、それぞれが結婚前の姓を名乗れるよう、早急に制度を改める必要がある。

日本経済団体連合会(経団連)は10日、結婚後も夫婦別姓を選べる「選択的夫婦別姓制度」の実現に必要な法改正を求める提言をまとめた。夫婦別姓を認めていない現行制度は「女性活躍を阻害する社会制度」の一つと指摘している。

企業では社員のキャリアの連続性を重視するため、旧姓の通称使用が広がっている。しかし、通称使用は日本独自の仕組みであり、海外では同一人物と認識されず、契約や手続き、渡航の際などに不正を疑われてトラブルに遭うケースがあるという。

厚生労働省によれば、夫婦の約95%が夫の姓を名乗っており、改姓に伴うビジネス上の負担は女性側に偏っている実態がある。

また、核家族化や少子化が進む中で、愛着のある自らの姓を残したいと考える人が増えているほか、姓を維持するため、やむなく法的な保障が限定される事実婚を選ぶカップルもいる。こうした人たちへの配慮も求められよう。

選択的夫婦別姓を巡っては、法相の諮問機関である法制審議会が1996年に導入を盛り込んだ民法改正案要綱を答申した。最高裁は2015年と21年に、現行制度を合憲としつつ「国会で論ぜられ、判断されるべき事柄」と指摘しており、国連の女子差別撤廃委員会からも現行制度の是正が繰り返し勧告されている。

だが、国会での議論は長年、停滞したままだ。実現には自民党の賛成が欠かせない。公明党は選択的夫婦別姓の実現を一貫して主張しており、山口那津男代表は社会の変化や経団連の提言などを「真摯に受け止め、積極的に対応してほしい」と求めている。

夫婦別姓の実現は女性活躍やジェンダー平等の前進につながる。多様性が尊重される社会をめざしたい。

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